こんにちは! デザインこねこの「独立・創業・起業などに役立つブランディング」ブログです。日々更新していますので、よろしければフォローお願いします!
先日書いた「ピボット経営」についてのブログは感想もよせていただいたり、興味をもたれている方の多さを改めて感じました。ブログ内で紹介した「事業再構築補助金」は採択されるアイデアの間口がとても広いのでアイデアのある方はぜひチャレンジをしてみてください。
さて、今日は「ディスラプション」についてです。ディスラプションは「破裂や崩壊」を意味する言葉です。
「ピボット」が、企業が走りながら自社の方向転換をすることだとしたら、ディスラプションは、社会全体、または業界全体に起こる方向転換です。
ここを抑えていないと、せっかくピボットしてもそもそも未来がなかったということもありえますので、ディスラプションとは何かと、その重要性についてお伝えできればと思います。
創造的破壊
ディスラプションという発想は1911年に発表された「経済発展の理論」という本の中に登場しました。「創造的破壊」という概念で、その出現によりすべてを変化させる新技術やそれを用いた製品のことです。
最近では1997年に出た「イノベーションのジレンマ」という経営理論で「破壊的イノベーション」という言葉が登場しましたが、概念としては同義と捉えていいと思います。
破壊的イノベーション
「イノベーションのジレンマ」で、「破壊的イノベーション」は大企業が転落する原因と仕組みとして登場します。
代表的なのはAppleのiPhoneの出現により、スマートホン事業への参入が遅れたフィンランドの携帯事業大手NOKIAが最終的に携帯事業から撤退に追い込まれたような例です。
NOKIAがスマホ参入に遅れて競争で負けたというオーソドックスなビジネス的敗因もありますが、やはり注目すべきは、スマホの出現でたった数年の間にガラケーの市場が消滅するまでにおいこまれた、技術的革新の側面でしょう。
(余談ですが、現在はNOKIAもスマホ事業に参入し、魅力的なデザインで人気が出てきています。 参考:「ノキアの携帯電話」は、いかに復活を遂げたのか──「英シェア3位」の陰にフォックスコンあり)
デジタルディスラプション
それに比べて「ディスラプション」というのは、社会全体の変革を捉える時に用いられている印象です。
例えば、現在で言えばデジタルと組み合わせた「デジタルディスラプション」という言葉で使われる事が多いのですが、これはデジタルテクノロジーによる創造的破壊のことです。
この「デジタルディスラプション」が差し示すのが、先日ふれたDX(デジタルトランスフォーメーション)です。この数十年間で多くのデジタルディスラプションが起きたことはみなさん体感されていると思います。
このデジタルディスラプションに関しては、また改めて書くことにさせていただき、今回はもう少し「ディスラプション」という言葉自体を追ってみたいと思います。
チーフ・ディスラプション(破壊)・オフィサー(CDO)
Appleの創設者スティーブ・ジョブズはとても有名ですが、実はAppleには創設者がもうひとりいました。「もう一人のスティーブ」と呼ばれるスティーブ・ウォズニアック氏です。
日刊工業新聞デジタル版の記事の中で、彼はスタートアップの経営上の留意点について、破壊的テクノロジーに気をつけることをあげています。先ほどの事例で言えばAppleは「破壊的イノベーション」を起こした方なので説得力があります。
そこでは具体的な提案が二つされています。
一つは、
「(略)破壊的テクノロジーが世の中に登場してきているのに、それを見つけられないでいると、数年後にはブラックベリーやノキアのような事態になってしまう。大企業が先々の破壊的テクノロジーにやられてしまわないように、いかに起業家のような考え方を社内に浸透させることができるかが重要だ。そこでまず提案したいのは、当時のHP(ヒューレット・パッカード)がやったように最終決断を行う経営陣の末端に非常に優秀な人材を雇い入れ、彼らに個々のプロジェクトをコーディネートさせて、プロジェクト承認の経営判断を素早く行えるようにすることだ」
引用:【電子版】デジタル編集部から(41)アップル共同創業者のウォズニアック氏、スタートアップを語る
もう一つは、
「(略)チーフ・ディスラプション(破壊)・オフィサー(CDO)の任命だ。CDOはCEO直属にはしない。なぜならCEOは日々のビジネスや経営で忙殺され、アウトサイダー的なプロジェクトに関わっている余裕が全くないからだ。CDOは新しい技術や会社が、3-5年先にメジャーになったらどうなるかをチームとともに分析する。CDOは自ら変化を先取りし、自分の会社にダメージを与える破壊的テクノロジーの影響を取り除く一方で、どうしたら自ら破壊的テクノロジーを生み出せるかという役割を担う」
引用:【電子版】デジタル編集部から(41)アップル共同創業者のウォズニアック氏、スタートアップを語る
と言っています。
両者ともにCEOから現場スタッフにいたるまで、ディスラプションを意識し、常に革新できる集団であることを維持する重要性を説いたものです。
これは、収益の基盤であるリソースをしっかり支えるためのリスクヘッジであり、iPhoneのように自社でディスラプションを起こすことを最上位の優先事項として考えているということです。CDOがCEOに直属しないということにその意思が大きく現れています。
注1:これはウォズニアック氏のスタートアップ企業へのアドバイスであって、アップルの経営方針を語っているものではありません。
注2:Apple関係でCDOというと元チーフ・デザイン・オフィサーだったジョニー・アイブ氏を思い浮かべる方がいらっしゃるかもしれませんが混同されないようお気をつけください。また、CX戦略でふれているCDO(Chief Digital/Data Officer・最高デジタル責任者/最高データ責任者)ともちがいます。
\ちょっと一息/ こねこの本棚
【ウォズニアックでおすすめしたい本】
実はこの本の存在を、今日のブログを書いたことで知りました。レビューがとても良いので、読んでみようと思います。
まとめ CEO 兼 CDO
とはいえ、中々それ専門で役員を入れるというのは難しいと思いますので大抵の場合は社長が兼業CDOである必要があると思います。
また、スタッフに目を向けるとそれぞれが意外なほどにいろいろなことを知っていたりすることもあります。
副業、兼業の時代でもありますので、そういった制度を導入することで、社外での活動や経験も取り入れることで、個々の能力や、経営感覚を、大いに伸ばしてもらい、ディスラプションの気づきを自社へフィードバックしてもらうというのも一案かもしれません。
こねこの本棚
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コンサルタントの起業術とありますが、
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予約しました。
読み終えたらこのブログでも
ご紹介したいと思います。
序 章 メタバースとは何か?
第一章 メタバースの衝撃
第二章 世界の創り方 I【視空間】
第三章 世界の創り方 II【生態系】
第四章 競争から創造の世紀へ
第五章 ポストメタバースの新世界
終章 世界の真実は自分の目で確かめるべき
【弊社が掲載された本】
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長嶺俊也 デザインこねこ株式会社取締役/クリエイティブディレクター/LOBBY ODAWARA オーナー兼ディレクター/神奈川県商工会連合会小規模支援強化事業コーディネーター