お金のパラダイムシフト

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こんにちは。デザインこねこの、独立・創業・起業に役立つブログです。日々更新していますので、よろしければフォローお願いします。

まだまだゴールデンウィーク序盤ですが、いかがお過ごしでしょう。明日は出勤という方もいらっしゃると思います。ゴールデンウィークの間は少し題材を広げて、日頃わたしが調べてみたかったことを書いてみることにしています。よろしければ、少しの時間お付き合いください。

今回は「お金のパラダイムシフト」です。

昨日もお金の話でした。その中で、資本主義と金融の成り立ちから「お金」が「生活」や「人生」と直結するようになったというお話をしました。

今日は、その続きから進めていきたいと思います。

金融と聞いてみなさんが思い浮かべるのは「株」だと思います。最近、ニュースなどから日本の株価は好調とよく聞きます。こういうニュースを聞くと日本の経済は順調な気がしますよね。ですが、ここで一つ注意点があります。

「金融経済」と「消費経済」は、別ということです。

金融での「お金」という存在は「目的」ですので、ある意味お金でお金を回す仕組みです。つまり、「お金」がその輪の中にある間は対価として消費経済に価値提供はされません。

それに対して消費での「お金」はモノの価値を仲介して移動します。つまり、消費でお金が動いているということはモノと入れ違いに市民の手元にお金が移り、必要なものを手に入れことができるようになり、市民の活動の水準が上がります。おのずと自己実現が可能になった結果、景気がいいと感じるようになるということです。

もちろん企業や投資家が何かモノに使えばそれは消費だと言えますが、実際に彼らが原資となる手持ちのお金を一般の人びとの生活費の割合分で日々消費することはありえませんよね。

また、スタートアップのベンチャーに投資をしたり、株を買ったりというのは経済に寄与しているとは言えますが、純粋に消費経済に直結する「お金」とは言えません。

これが株価は良くても、国民生活は景気がいいとは「感じない」理由だと思います。今は景気の話をしているわけではないので、この二種類の経済に引き裂かれた今の「お金」のことを頭の片隅において、続きをお読みください。

さて、ここでお金のはじまりを見てみたいと思います。

現在、世界最古のお金と言われているのは紀元前1600年ぐらいの貝のお金だそうです。しかし、これは成り立ちの始まりと言うような、いわゆる物品交換(現在のお金の役割を特定の物品が担っていた)の時代です。

「貨幣制度」となるとまた別で、現在、世界最古の貨幣(金属貨幣)と考えられているのは、紀元前670年頃にアナトリア半島(現在のトルコの一部)のリュディアで発明された、金と銀の合金でつくられた「エレクトロン貨」だそうです。

なぜ貨幣制度ができたかというと、物品交換では「布・塩・貝・砂金(金と銀を配合したもの)」などの比較的価値が下がりにくい物品と、自分が欲しい「モノ」を交換していました。

しかし、布や塩、貝などは物品交換を行わなくても製造や入手が可能でした。また、偽造が簡単ということも問題です。

そこで人々は、どの条件下でも同じ価値を持ったお金を使う「貨幣制度」というのを作りあげたのです。

ただし、それからも長い間まだまだバラバラのコミュニティでそれぞれの貨幣を使用していました。

エレクトロン貨から約2500年後、1833年にイギリスで「法定通貨」が登場し、1844年に同じくイギリスで中央銀行ができました。

ここから国家が中央銀行を所有して政治や経済をコントロールするために「お金」を使い始めます。それを見た当時のアメリカと日本が、イギリスを真似して自分たちの国にも中央銀行の仕組みを取り入れ、そこから様々な国家に中央銀行制度が取り入れられていき、今の体制が出来上がりました。

もう一つ革命的だったのが、金がお金の価値を担保する「金本位制」の導入により各国の通過に価値基準が図られたことです。

さて、振り返って見ていかがでしょうか。貝殻から始まり、地域ごとの通貨が生まれ、金に価値を担保された各国の法定通貨ができ、さらに、ポンドとユーロの関係など今も現在進行形でお金は変化しています。

こうしてみると「お金」の実像ってなんなのか不思議に思えてきませんか?

金本位制が導入されたことで取引価値の基準の統一は図られてるといはいえ、今でも国家間で別々の法定通貨でやり取りしていることは大昔の根本は変わらないように思えてきます。

私には、もっと使い勝手が良く、道具としてつかえる市民のための「お金」が、市民のニーズから生まれる時代がすぐそこまでやってきているような気がします。

そして、それはこれまでのお金とは別のパラダイムのもので、これまで国民国家が政治・経済をコントロールするためにつくった法定通貨とは別のものになると思います。

ちなみに、中央銀行を設置している国は1900年代の段階で18ヶ国程度、1960年には50ヶ国と増え、現在では大半の国に設置されていますが、今のこの状況はたかだか100年ちょっとの時間でできたものです。しかも、そのきっかけは戦争のためという、極めて内政的事情が理由です。

つまり、法定通貨というのはそれぞれの国の内政的問題をはらんだものであると言えます。

そう見ると、現代の資本主義ように越境でのグローバル経済が当たり前となり、さらに宇宙産業やWeb3など国家間という枠組みすら離れた新しい産業が登場している今、法定通貨はその貨幣制度を構成する価値観としてこれからの時代の取引にマッチしないように思えます。

そういう意味では、仮想通貨はそういった中で市民の必然から生まれた、使い勝手のいい道具のように思えます。

\参考にしました!/ こねこの本棚

「お金2.0 新しい経済のルールと生き方 」
 佐藤 航陽

お金の本というより、資本主義の先の世界を考えた本。ここに書かれているのは、国民国家の誕生から約300年、現代の資本主義、民主主義の矛盾を解決するために必要な知識だなと思いました。また、経営書として使える面もあり、経営者の方に特におすすめです。


参考:TOKIWAN「お金の起源を教えます!過去から現在までのお金の歴史」

こねこの本棚

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