お金の価値が強まったのはいつからか?

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みなさん、ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしょうか。ゴールデンウィークの間は少し題材を広げて普段調べてみたかったことを書いていますので、「ゴールデンィークも関係なく仕事してるよ」という方も気軽に読んでいただければ幸いです。

さて、今回は「お金の価値が強まったのはいつからか」です。

突然ですが、「ちむどんどん」観てますか。僕はこれまであまり朝の連続テレビ小説は観たことがないのですが、今回は沖縄の風景に惹かれて第一回をたまたま観てからというもの、意識的に観るようになってしまいました。

その中で、先日主人公の姉の「りょうこ」が、「おかあちゃんをみていて、貧しくても幸せに生きていけるということを誇りに思っている」というようなセリフが出てきました。ここでいう「貧しくて」は「お金」の意味です。

つまりお金の有る無しで幸福度は測れないという意味ですが、それはつまり「お金があること=幸せ」という社会的価値観があることを前提としたアンチテーゼのセリフです。

おかねはみんなが欲しいものの一つだと思いますが、「りょうこ」の言うこともわかります。

少なくとも、最初から人間はお金がないと不幸だったはずはありません。

人間の歴史の中で、一体いつからお金が幸福に直結する価値を備えるようになったのかを考えてみたいと思います。

現在、世界最古のお金と言われているのは紀元前1600年ぐらいの貝のお金だそうです。

ただ、そこまで遡って考察することは今回の趣旨にあまり必要ないので、現代のお金あり方につながる約300年前、18世紀頃からみていきたいと思います。

この頃、ヨーロッパでは産業革命が起きました。近代化が進み、工業化や資本主義が成立するようになります。また、市民革命も起き、自由や、平等の概念が生まれ、人間の解放を唱える啓蒙思想が広まりました。社会の変化のスピードが一気に上がった時代です。ちなみに、日本は江戸時代の中期から後期のあたりです。

産業革命により、市民の生活が農業から工業に変わると、労働の対価に「お金」をもらい、そのお金で生活に必要なものを購入して暮らしようになりました。

産業革命により市民の生活が農業から工業に変わると、労働の対価に「お金」を手に入れ、そのお金で生活に必要なものを購入して暮らすようになりました。つまり、お金が生活の中心に置き換わったのです。

同時に、市民革命により国民国家が誕生するようになってくると、それまで人間が「大事」だと思う思想の対象だった「神様」(宗教)や、「王様」(身分)の価値が薄らぎました。

こうした流れの中で資本主義的価値観が台頭しました。資本主義では、マルクスの言うように「持てる者と持たざる者」の対立を生み、お金が生活水準を生み出す要因になりました。

こうして、お金は近代化する中で役割を変えながら存在感を強め、いつしか重要な社会的価値の一つになっていきました。

それでもまだ「モノ」のもつ価値を仲介をする道具でしかなかった「お金」ですが、やがて「お金からお金を生み出す方法」を考える人が出てきます。金融のはじまりです。

「お金」は「モノ」から独立し、「消費とは関係ないところ」で、お金だけの取引がされるようになりました。これまではモノを手に入れるための「手段」に過ぎなかった「お金」が、手に入れたい「目的」に変わったのです。

現代の資本主義において、お金の持つ重要性は多岐に渡ります。お金がなければモノも買えませんし、会社も、労働者も、より多くお金を儲けた人が評価されます。

こうして、いつしかお金が「生活」や「人生」と直結するようになると、「お金がたくさんある」ということを幸福の中心に考えてしまうようになったのではないでしょうか。

\参考にしました!/ こねこの本棚

「お金2.0 新しい経済のルールと生き方 」
 佐藤 航陽

お金の本というより、資本主義の先の世界を考えた本。ここに書かれているのは、国民国家の誕生から約300年、現代の資本主義、民主主義の矛盾を解決するために必要な知識だなと思いました。また、経営書として使える面もあり、経営者の方に特におすすめです。


こねこの本棚

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長嶺俊也 デザインこねこ株式会社取締役/クリエイティブディレクター/LOBBY ODAWARA オーナー兼ディレクター/神奈川県商工会連合会小規模支援強化事業コーディネーター