イーロン・マスク ボーリングカンパニー ニューラリンク

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こんにちは。デザインこねこの、独立・創業・起業に役立つブログです。日々更新していますので、よろしければフォローお願いします。

ゴールデンウィーク最終日ですね。ゴールデンウィーク期間中はテーマを広げて私が日頃調べてみたかったことを選んで書いていたのですが、結果的にそのほとんどがイーロン ・マスクさん関連になってしまいました。マスク氏に関しては今日で最終回の予定ですので、今日もお時間ありましたらお付き合いください。

さて、7日間に渡ってお届けしているイーロン・マスクさんですが、調べれば調べるほど他の起業家とはビジョンが違い、それを生むユニークなスマートさ、発想を裏打ちする徹底した合理性、そして人間性を担保している激しい性格が魅力的です。

これまで、「スターリンク 」を入り口に、生い立ちから「Zip2」社、「ペイパル」社(共同創業)、「スペースX」社、「テスラ」社、そして話題の「ツイッター」社、今後全てを包括するかもしれない「Xホールディングス」と見てきました。

今日は、他にもマスク氏が経営している会社の内、さらに興味深い2つの会社についてお送りしたいと思います。

トンネル掘削関連の「THE BORING COMPANY」(ボーリングカンパニー)と、脳インタフェース・マインドコントロール関連の「Neuralink Corporation」(ニューラリンク)という未公開会社です。

まず、「ボーリングカンパニー」はマスク氏によって2016年に設立されたトンネル建設・サービス会社です。

トンネルは「ループ」と呼ばれ、都市内輸送システム向けに設計されています。公式サイトのトップページにある会社のミッションを直訳すると以下になります。

Boring Companyは、安全で、掘り出しが速く、低コストの輸送、ユーティリティ、および貨物トンネルを作成します

使命:交通を解決し、迅速なポイントツーポイント輸送を可能にし、都市を変革する

THE BORING COMPANY 公式サイト

設立された理由は、ロサンゼルスの交通渋滞は常態的かつ重大な社会問題になっており、自身も悩まされていたマスク氏が「トンネル以外の解決方法がないから」始めたと発言しています。

ボーリングカンパニーは、当初スペースXの子会社として設立され、2018年に独立した会社になりました。

マスク氏は、地上の交通問題を「2Dであること」と表現し、その解決策は3Dにすることと話しています。

そのためには、トンネルの他に空飛ぶ車がありますが、空飛ぶ車は技術的に可能なものの浮力や推進力の風圧や騒音の問題があるとしています。その点、地下は100層でも可能で実質無限と話しています。

また、マスク氏らしいスケールの違う革新がこの会社でも発揮されています。

それは「Prufrock」という掘削機なのですが、この掘削機はこれまでの技術の6倍速く掘削できるとされていますが、ユニークなのは、地表から直接発進し、地下で採掘し、完了すると再び地上に出現するということです。

これにより、Prufrockは現場に到着してから48時間以内にトンネリングを開始でき、機械を起動して回収するために高価なピットを掘削する必要がなくなりました。

ボーリングカンパニーは、すでに2021年にラスベガスで広大な「ラスベガスコンベンションセンター」(LVCC)の地下を「ループ」でつなげ、テスラ車をつかって訪問者をシャトル輸送するシステムが開始されています。

他に、フロリダ州のマイアミなど世界数カ所でループ建設の検討が進められています。

さらにボーリング社で楽しみなのが、スペースXなどを巻き込む形で進められている「ハイパーループ」です。ハイパーループは真空にしたトンネルの中を、時速1000kmものスピードで走る乗り物です。

マスク氏がハイパーループに初めて言及したのは2012年のことで、最初のコンセプトはリニア誘導モーターと軸流式圧縮機で駆動されるエアベアリングの上に加圧されたカプセルが乗る減圧チューブを組み込んだものでした。

マスク氏はそれを「コンコルド、レールガン、エアホッケーテーブルをかけ合わせたようなもの」と表現しています。

旅客機や高速鉄道に続く新たな高速輸送システムの最右翼とされているのはリニアモーターカーですが、それに対して、ハイパーループの速度は時速1000km超と言われており、超電導リニアの最高速度を大きく上回ります。

ハイパーループも磁気浮上の技術を取り入れているためリニアモーターカーの進化形といえなくもありませんが、既存の技術で実現可能なことから2030年ごろには飛行機や新幹線のように普及した輸送手段になることが期待されています。

ハイパーループのコンセプトは、マスク氏とSpaceXによってオープンソース化され、他の企業もそのアイデアを取り入れてさらに発展させるよう奨励されています。そのため、世界中で企業が設立され技術の進歩に取り組んでいます。

次に、「Neuralink Corporation」(ニューラリンク)です。こちらは2017年に設立されました。

ニューラリンクの目的は、端的に言うと脳とコンピュータを接続することです。人類よりも高い知性を持った人工知能(AI)と脳がリアルタイムに通信し、人工知能の高い処理能力を活用すると共に、人工知能が暴走する「シンギュラリティ」の危機を回避しようというビジョンを持っています。

マスク氏は「AIと脳が繋がるニューラリンクに取り組む理由」として、以下のように発言しています。

AIについては人間のコントロールが効かなくなるまでそれほど時間がかからない。それが実現した世界がいいものなのか、悪いものなのかはわからない。人間がコントロールできなくなるというだけ。止めることができないなら、参加したほうがいい。そういうことでニューラリンクをはじめた。

カタパルトスープレックス「イーロン・マスクのマリファナインタビューが(内容は)素晴らしすぎる」

ニューラリンクの公式サイトによると

私たちは、どこにいてもコンピューターやモバイルデバイスを制御できる最初の神経インプラントを設計しています。

ミクロンスケールの糸は、動きを制御する脳の領域に挿入されます。各スレッドには多くの電極が含まれており、それらをインプラントであるリンクに接続します。

Neuralinkアプリを使用すると、iOSデバイス、キーボード、およびマウスを、脳の活動について考えるだけで直接制御できます。

ニューラリンク公式サイト

とあります。

また、知見の収集や収益もかねて、脳卒中や脳腫瘍などで損傷を負った患者の行動支援のための、脳内埋め込み型の器具も開発するそうです。

いかがでしたでしょうか。スペースX、テスラ、ツイッターの他に、このボーリングカンパニー、ニューラリンクがあり、その他にもソーラーエナジーの会社などもやっているイーロン・マスクさんですが、一貫して「人類を進化させる」ことが目標になっており、この全ての会社の目的が火星植民化に向かっていることと考えると、とてつもないスケールの話であるにも関わらず納得してしまうのは、私だけではないと思います。

マスク氏は非常に問題発言も多く、波乱万丈な人生で、訴訟も多く抱えていますが、今回あえてそういったゴシップや人となりでフィルターがかかり先入観を持ってしまいそうなところは紹介しませんでした。ただ、変な言い方になってしまいますが、そうした部分でも飽きさせない人物ですので、興味がある方はそういった部分もぜひご自分で調べてみてください。

さて、7日間に渡って毎日イーロン・マスクさんについて調べてきましたが、私がマスク氏に抱いたイメージは一言で言うと「ベストエフォートの塊」です。失敗を恐れずに、超合理主義で、最速で行動する。そんなイメージです。

そして、マスク氏は

また、マスク氏は億万長者のイメージからビジネスマンだと思われがちですが、その行動原理を見ても明らかなように彼はビジネスマンではなく「社会起業家」です。その思想は、幼い頃から大好きだったSFに学び、今でもその大好きなSFの世界の秩序に生きているように思えます。

そして、彼の活動力の源は、金銭欲や名誉欲などではなく「全体の80%である」と話している「モノを作っている現場での時間」に生まれるアイデアに突き動かされる衝動であり、推進力を支えているのは、常人の何倍もの「度を超えたワーカホリック体質」にあるのだと思います。

参考:THE BORING COMPANY公式サイト
参考:Neuralink Corporation公式サイト
参考:Newsweek「イーロン・マスクのもう一つの企業『ボーリング』社、地下に画期的な交通システム構築へ」
参考:BUSINESS INSIDER「イーロン・マスクのボーリング社、貨物輸送用のより大きなトンネルを計画」
参考:東洋経済ONLINE「リニアの強敵?『ハイパーループ』実現への着地点」
参考:AppBank「イーロン・マスクがラスベガスの地下に掘った『ボーリングカンパニー』のトンネルをテスラで爆走してきました(動画あり)」
参考:YAHOOニュース GIZMODO「イーロン『数年以内にハイパーループ作るよ』」
参考:ビジネス+IT「イーロン・マスクのAI新会社『ニューラリンク』がテスラ、スペースXより無謀なワケ」
参考:CNN「マスク氏の脳インプラント企業、サルの死を認める 動物虐待は否定」
参考:カタパルトスープレックス「イーロン・マスクのマリファナインタビューが(内容は)素晴らしすぎる」
参考:Wikipedia「ボーリングカンパニー」
参考:Wikipedia「ハイパーループ」
参考:Wikipedia「ニューラリンク」

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