週休3日制「一日休養・一日教養・一日〇〇」

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今回は「週休3日制」についてです。

パナソニックが、先日社員の希望により週に3日間休める「選択型週休3日制」を試験的に導入するという方針を明らかにしました。

22年度内の導入を目指すということですので、もうすぐに施行されるということです。

制度の詳細は検討中としながらも「1日の所定労働時間は変えず、月間の労働時間を減らす方向で検討している」とのことです。

また気になる給与に関しては、基本的には休んだ分は賃金が減る形だとみられていますが、これも「労使協議や社員個々への影響を含め、ていねいに検討していく」としています。

「週休制」をリードしてきたパナソニック

実は、パナソニックは「週休制」をリードしてきた企業です。今でこそ、週休2日はあたりまえですが、この週休2日制も日本で初めて導入したのは松下電器でした。

それどころか、今では信じられませんが、まだ「週休」という制度、つまり週一回の休みをとることも、松下電器が日本で初めて、しかも国に先駆けて導入したそうです。

週休制の導入「月2回休養、月2回修養」

日本において一般的に週休制が導入され始めたのは昭和22年(1947)の労働基準法制定以降ですが、松下幸之助さんが当時の松下電器産業(現パナソニック)でそれまでの月二回休日制を週休制にしたのは、昭和11年(1936)のことだそうです。

つまり、国より10年も先行して独自に行っていたんですね。

松下幸之助さんは、この週休制の導入にあたって、次のような言葉を残しています。

「従業員の指導育成の面から深い配慮を払い、休日が増えたために、遊びに時を過ごし、健康を害したりすることのないように、月4回の休日のうち2回は休養に、2回は修養に当てるように望んでいる」

引用:『松下電器 五十年の略史』1968年、松下電器産業刊

「修養」というのは「徳性をみがき、人格を高めること」です。

つまり、「月2回休養、月2回修養」というのは、疲れを取るのと、人格形成に取り組むための休日と定義したわけです。

週休2日制の導入「一日休養・一日教養」

松下幸之助さんは、その後1965年に今度は週休2日制を採用します。

この時は、週休制を導入した当時よりも一層経営者として明確にその必要性を感じていたようで、「一日休養・一日教養」という言葉を残しています。

週休2日制について、松下幸之助さんは自身の考えをこのように説明しています。

「五日制が望ましいというぼくの議論には前提があるんです。~中略~ 日本の産業もこれからますます生産性が向上してくるでしょう。どの工場も精巧な機械を配置して仕事をせねばならなくなる。そうなってくると労働者は勤務中1分1秒のすきもなく、8時間なら8時間を全精神を集中してやらねばならぬ。だから非常に疲労が出てくる。この疲労回復のために、一日余分に休養を要するだろう。そこで週五日にしなきゃいけない」

引用:PHPオンライン衆知「松下幸之助 日本初の『週休二日制』導入~使命としての『働き方改革』」

また、もう1日の休みのことについては、以下のように述べています。

「従業員の指導育成の面から深い配慮を払い、休日が増えたために、遊びに時を過ごし、健康を害したりすることのないように、月4回の休日のうち2回は休養に、2回は修養に当てるように望んでいる」

引用:『松下電器 五十年の略史』1968年、松下電器産業刊

週休制導入時の「月2回休養、月2回修養」とにもまして、「週五日制」が社員にとって、産業人として、社会人としての向上に資することを強く望んでいたようです。

ちなみに、社会はそれから遅れること約20年、1987年の法改正から段階的にゆっくりと週40時間労働(週休2日)へ移行していくことになります。

ほぼ日の「インデペンデンス・デー」

この話で思いだされたのは、ほぼ日社の「インデペンデンス・デー」です。

「インデペンデント・デー」とは、毎週金曜日はなるべく打ち合わせは入れずに、展覧会に行ったり、じっくり本を読んだり、自分の成長になるようなことにたっぷりと時間を使おうというほぼ日独自の制度です。

これもただ「休めてラッキー」ということではなく、やはり自律的な成長や、内発的動機を育てるためのインプットの時間、また場合によっては心や身体の調子を整えるのにも役立っているのではないかと思います。

週休3日制で求めること

話を週休3日にもどします。

かつて週休2日の際には「一日休養・一日教養」を掲げたパナソニックが、週休3日でもう1日の休日に求めるものは「副業やボランティアの時間確保」を掲げています。

経済アナリストの森永卓郎さんは、これを「一日休養・一日教養・一日副業」と表現しました。

森永氏は今回のパナソニックの週休3日制を以下のように評価しています。

「私は、それが労使の双方にメリットをもたらすと考えている。堂々と副業を行うことで、社員は収入源のリスク分散と新しい分野への挑戦が可能になり、会社は、社員の視野が広がることで、より柔軟に社会の変化に対応できるようになったり、斬新なアイデアが社員から生まれるようになるからだ。」

引用:Yahooニュース「【森永卓郎の本音】パナソニックの週休3日制で新時代が来た…週休2日制も松下電器産業が先がけ」

まとめ

常に働き方がもたらす効果を大切に考えて週休制を先駆けて来たパナソニックが今回行う「週休3日制」。

「一日休養・一日教養・一日副業」から生まれる新しい雇用関係は近い将来社会に定着し、新しい社会の働き方、ひいては新しい世界での社会人の生き方になるのではないでしょうか。

参考:IT media NEWS「パナソニック、週休3日制を試験導入へ 『1日の労働時間は変えない』」
参考:Yahooニュース「【森永卓郎の本音】パナソニックの週休3日制で新時代が来た…週休2日制も松下電器産業が先がけ」
参考:PHPオンライン衆知「松下幸之助 日本初の『週休二日制』導入~使命としての『働き方改革』」
参考:DocuSign「8時間労働や週休2日はいつから? 働き方の歴史から『働き方改革』まで!」

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