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さて、一昨日からスタートアップでクライアントを獲得するための「オンラインでのプロモーションの整理」について「マーケティング」、「ブランディング」、「セールス」の3回に分けて整理しています。
今日は最終回、プロモーションでの「セールス」にあたる部分を考えていきたいと思います。
「セールス」は「営業」のことです。ただ、営業というと皆さん訪問営業やルート営業を思い浮かべてしまうかなと思いましたので、プロモーションでは「セールス」という言葉を使いました。
というのも、今回お伝えしたいのは営業行動そのものではなく、マーケティング、ブランディングの時と同じく、その考え方をプロモーションの整理に活かすことだからです。
1回目の「マーケティング編」、2回目の「ブランディング編」をお読みになりたい方は、先に以下よりお読みください。
セールスとは「与える(give)」こと
前回、プロモーションにおいてのブランディングの役割は、マーケティングのパートで認知していただいた方に様々な価値を提供し続け「興味を持ち続けてもらう」こととお伝えしました。
今回の「セールス」のパートの役割は、「お客様のニーズを解決すること」です。
というのも、すべての営業活動をお客様側の視点で考えた時に、その本質は「お客様の役に立つこと」だからです。
ここで注意すべきは「セールス」と、次の段階の「取引」とをきちんと段階を分けたものとして理解することです。
「取引(transaction)」は、金品の「交換」です。「取引」は売り上げが上がる瞬間でありプロモーションをする目的です。
それに対し「セールス」は「売ること」ですが、「売る」という英語の「sell」は、“sellan”という古英語が語源です。この“sellan”には、「与える(give)」という意味が含まれているそうです。あくまで、語源の話ではありますが、私はセールスや営業の精神の本質はこの「与える」ということだと考えています。
「取引」と「セールス」を混同して考えてしまうと、どうしても最終的な目的である取引の「交換(transaction)」の方に目がいきがちですが、本来セールスの段階ではまず「与える(give)」べきだと考えています。
与えるのは「提案」
では、何を与えればいいのでしょうか。もちろん商品自体を無料で差し上げるのではありません。
取引の前、セールスで与えるのは「提案」です。
思い返していただくと、マーケティング的役割のSNSやブログ、ホームページ、ブランデディング的役割を担ってきたメールマガジンでも一貫してやってきたことは「与える」ことです。
しかし、これまでの段階で与えてきたものが「汎用性の高い情報」というレベルであったことに対し、セールスの段階で与えるものはお客様用に「パーソナライズした提案」です。
では、ここでおさらいを兼ねてプロモーションのマーケティングからブランディング、そして今回のセールスまでをカンタンに見てみましょう
まず、SNSで日々「今日も営業スタートしました!」や「こんな変わった深海魚が市場に上がりました!」などを投稿し、まだ来店したことのない方も含め日々コミュニケーションを取り認知度を高めます。
次に、メルマガはないにしても、オンラインならフォロワーへのインスタライブやYouTubeチャンネルなどの動画、オフラインならチラシをフリーペーパーと捉えて定期的にコンテンツを届けます。
旬の魚情報や、魚屋さんの魚レシピ、動画での船盛の作り方や、魚の値段の推移の裏話など、魚屋ならではのネタで信頼を得て、「魚は〇〇屋さんで買えば安心ぽいな」とおぼえてもらいます。
さあ、ついにお客様が魚が必要にり、店頭までやってきました!
ここで、魚屋さんのセールストークに注目してみると、「ぃらっしゃい!」から始まり「今日はこれがおいしいよ!」とか、「何人分ならこれがお得だよ!」とか、「何を作るの?」とか、「それならこれをこう食べるとおいしいよ」とか、いろいろな話題でヒアリングをしながら、目的にあった魚の買い方を提案してくれます。
プロである魚屋さんの提案のおかげで、お客さんは自分のニーズに対して何を買うべきかわかり、納得して買って帰ることができました。無事に取引成立です。
しかも、魚屋さんはその間も楽しませるために冗談の一つもはさむエンターテイメント性を持ち、最後にはおまけまでつけてくれたりします。
そういった満足感やおまけのサービスを与えることで、体験が食卓の話題にまでのぼり家族にまで広がるのです。結果、リピートしてもらうために必要な*F2の壁を超えることにつながる。見事ですよね。
*F2:「F」は、Frequency(頻度)のことです。「F2」とは「お客様が2回目の購入をしてくれた」ということを意味します。リピーターを獲得する最大の課題はF2の壁を超えることとされており、2回目さえ超えてしまえばその後の継続は続きやすいと言われています。
「提案」は、聞ききとりに始まり、聞ききとりに終わる
魚屋さんの例で大事なのは、会話から情報を聞き取るということです。
そうやって得た情報から、お客さんの中にある答えの仮説を立てながら「煮物にするなら今日はこれがおすすめだよ」などと、提案をしているのです。
つまり、「聞き取り」は相手の困りごとの核心へ掘りすすめるためであり、仮説→提案を繰り返すことは顧客のニーズに対する精度をあげるための作業なのです。
もし魚屋さんが、何も聞いてくれず、自分にあった提案をしてくれない魚屋さんだったら、本来のニーズとして買うべきものと別のもの買ってしまい、家に帰ってから失敗に気が付いたり、お買い得じゃないものを買えば「わざわざ魚屋さんに魚を買いにいった」という期待感とのギャップから、満足度は低くなってしまうかもしれません。
それどころか、たくさんの魚を目の前にしても自分がどれを買えば正解なのかわからない状態では、悩んだあげく結局魚を買うことは断念して帰ってしまうかもしれません。
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まとめ 取引を決めるのは自分ではなく相手
3回にわたって「顧客獲得プロモーションの整理」を書いて来ました。
当たり前ですが、プロモーションは「セールス」の次の段階である「取引」を成約させることがゴールです。
しかし、その最後の「取引」をするかどうかは、最終的にお客様が決めることです。
だからこそ、マーケティング的活動によりオンラインでの日常的なタッチポイント増やし、ブランディング的な活動によりメールマガジンで直接お役立ち情報を提供できる機会を増やし、その分野でのポジションを獲得しておく、セールスでお客様の話を聞き提案を繰り返し、最適解を出せるように顧客情報を蓄積する。
そうして、信頼関係が生まれる。
信頼関係があれば、ゴールである「取引」は自然に訪れるものであり、プロモーションにできるのは、そうして自然に取引が生まれる「環境」をつくり出していくことです。
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