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さて、弊社はブランディングを得意としているデザイン会社ですが、今日は逆に「ブランディングをしなくてもいい会社」を、お伝えしたいとおもいます。
理由は、逆説的に考えた方がブランディングの本質がわかりやすいからです。
実は、「ブランディングをしなくてもいい会社」には、正反対に2つのパターンがありますので、今日はそのお話をしたいと思います。
ブランディングとは何か?
その前に、みなさんとここで使う「ブランディング」という言葉の意味を、この話の前提としてかんたんに共有しておきたいと思います。
よく、ブランディングと一緒に使われる言葉に「マーケティング」という言葉があります。
「マーケティング」は売れるため
ということに対し、
「ブランディング」は伝わるため
と言えます。
つまり、コミュニケーションの一環です。
手法としてマーケティングと重なるところもあるので混同されやすいのですが、最初にこの点を抑えていただければとおもいます。
お客さまを見ている会社
さて、一つ目の「ブランディングをしなくてもいい会社」です。
それは、常にお客様を見て、お客様の要望に全神経を集中し、最速で反応して提供できる会社です。
例えば、町の魚屋さん。
お客さん一人ひとりの顔をはもちろん、家庭事情にまで精通し、好物の魚や必要な分量、好みの食べ方まで把握していて、お客さんが店へ来たらすぐに声をかけ今日は何がいいかそれぞれのお客さんに合わせたおすすめを瞬時に考えて簡潔に理由と調理法を伝え、最短で買い物を提供。その間に、癒しのジョークや、リップサービスのひとつやふたつ挟むことも絶対に欠かさない。大きな企業でもこういう素敵な会社はあります。
ビジネスの本質はお客さまのニーズを満たしていることであり、それはつまり、サービスや商品がすでにお客様から認められているということです。そして、それによってお客様から愛されている状態であれば、ブランディングは必要ではありません。
なぜなら、ブランドとは、人から愛される商品や企業そのもののことですから、この場合には、その企業のありのままがすでに「ブランド」になっているからです。
お客さまを見ていない会社
もう一つのブランディングしなくてもいい会社は、逆に、お客さまが見えていない会社です。
例えば、お客様を見ずに、流行や儲け話にばかり目がいっている会社をブランディングすることはできません。
お客様の満足度ではなく、ただ売れればいいという考えで、商品の質よりもパッケージデザインやインスタ映えばかりをがんばっているという、中身が伴わないサービスをしている会社は、ブランディングで伝えるべき「その会社の価値」がないからです。
こういう会社やサービス、商品には、「ブランドの芯になる価値」がそもそもありませんので、結果「ブランディングをしなくてもいい」となります。
これは、ブランディング不可能な会社と言った方がいいかもしれません。
インナーブランディング
実は、意地悪で2番目の会社の話をしたわけではありません。
実際には、どんな企業でもこういった状況が不意に訪れたりするものだからです。
そういった時にすぐに間違いに気付けるかどうかも、実はブランディングが有効に機能します。
それは、インナーブランディングいうもので、「自分の会社の価値がなにか」をお客様と同じように社内のスタッフ一人ひとりが理解している状態です。
会社はいい時もあれば悪い時もあるのは当たり前です。売り上げが悪い時には、多少強引な手法でも目標を達成しようというアイデアが社内から出てくるものです。
それ自体は決してネガティブなものではないですが、もしその案が会社の価値を損なうものであった場合には、中長期的に取り返しのつかない損害につながる可能性があります。
そんな時にも、インナーブランディングによってその案が自分たちのブランドに反していると気づくことができれば、未然に防ぐことができます。お客様との信頼関係を失わずに済むのです。
\ちょっと一息/ こねこの本棚
【インナーブランディングでおすすめしたい本】
ぼくが、インナーブランディングがものすごくできていると思っている会社は、株式会社ほぼ日さんです。Webサイトは見ている方も多いと思いますが、経営の本も出ていますのでぜひ。
まとめ
一つ目の会社の例でも話しましたが、ブランドとは「人から愛される商品や企業そのもの」のことです。
そして、「ブランディング」とは、そのためにお客様との信頼関係を構築していくための活動です。
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第五章 ポストメタバースの新世界
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