農業とビジネスの集合知「アグリビジネス」

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今日は休日ショートバージョンです。

今回は「アグリビジネス」についてです。コロナになり、家庭菜園や市民農園などを始めて農業が身近に感じられるようになった方も多いのではないかと思います。私もそのひとりですので、今日は自分の興味に基づき書いてみたいと思います。

まず、アグリビジネスはagriculture(農業)とbusiness(営業)との合成語です。農業に関連する幅広い「事業」を意味する言葉ですが、この中には多様な取組が含まれています。アグリビジネスが拡大・発展すればするほど、社会問題や環境問題も解決されると言われています。では、一体どんな取組があるのか見てみましょう。

アグリビジネスのポイントになったのは、2000年に株式会社形態での農業生産法人の設立が認められるようになったことです。その後の条件緩和や法改正に伴って、アグリビジネスに携わる企業数は年々増加しています。

身近なところでは「イチゴ狩り」「みかんの木オーナー制度」など観光系のセールスモデルや、道の駅などでの地元の野菜の直販や、農産物を加工販売する6次産業化などです。

こうした、ビジネスモデルは都市部という新たな舞台やブランディングなどとつながり、新しい展開を見せています。

例えば、銀座のビルの屋上で養蜂を行い取れた蜂蜜は銀座産ハチミツとして銀座の百貨店、レストラン、ホテルやバーで商品化されています。

他にも、六本木ヒルズの屋上庭園で「田植え」を行なっていたり、ビルの屋上でぶどうを育ててワインを作っているところまで出てきています。

野菜を育てているところもあり、先ほどのハチミツ同様収穫された野菜は近場のオフィス街で消費されるためフードマイレージが限りなくゼロに近く、屋上農園はエコとしても注目されています。

また、他の分野から農業に参入する例も多いですが、こちらは自然環境による影響や、作業負担の見通しが甘かったりといった経験値不足で約6割の参入企業が赤字を出しているそうです。いくら農業初心者とはいえ、大きな企業がそれなりに計画や準備をしても半分以上が赤字という事実は、農業自体の難しさを示しているように思います。

そこで、最近はAIや、ロボット、ドローンなどを活用したスマート農業が注目されています。agriculture(農業)にindutry(産業)をくっつけた「Agristry」という会社もアメリカには出てきています。

日本人の起業家も活躍しており、古賀大貴さんが始めた「Oishii Farm(オイシイファーム)」は、2016年12月に設立されたアメリカ・ニューヨーク発の「植物工場」スタートアップです。自社開発した自動気象管理システムで、温度や湿度、二酸化炭素量だけでなく、日の長さや、光の波長などなど、作物の生育に必要な環境をすべてコントロールできるそうです。

現在、世界の人口は増加の一途をたどっている反面、農業用地は災害などで年々減少しています。そんな中、「植物工場」は水と電力があれば外部の環境に左右されることなく通年で栽培を行えます。水も循環利用することができ、農薬も使いません。

これを世界中で建設できれば、今までと異なる農業の可能性は拓け、世界規模の社会問題を解決できると言われています。

ここまで壮大なアグリビジネスではなくとも、この分野でも今後キーになってくるのはデジタルやサイエンスとの融合であることは間違いないように思います。

また、ここで紹介した事例の多くは地方の農家などと組み、農業のノウハウを得て成功させています。つまり農耕民族だった日本にはたくさんの農業の知恵を持った農家さんがたくさんいるため、農業とビジネスが集合知を生むことが不可欠な「アグリビジネス」にとって、大きなアドバンテージがあると思います。

参考:ELEMINIST「増加と多角化が進む「アグリビジネス」の現状 農業の課題を解決する3つの可能性とは」
参考:nippon.com「銀座の上空をミツバチが飛び交い、ツバメが舞う-ビル屋上の“里山”で養蜂、自然を再現」
参考:コロカル「神田錦町〈テラススクエア〉屋上で栽培したブドウを使った、ファーストビンテージワインがリリース」
参考:東洋経済オンライン「NYで「高級イチゴ量産工場」営む日本人の野望」

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長嶺俊也 デザインこねこ株式会社取締役/クリエイティブディレクター/LOBBY ODAWARA オーナー兼ディレクター/神奈川県商工会連合会小規模支援強化事業コーディネーター