ピタゴラスイッチ監修 ポリンキーCMプランナー 佐藤雅彦さん

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こんにちは!
デザインこねこの長嶺喜和です。

12日の日曜日は母の日でしたね!私も、母へのプレゼントを買いに家族で出かけました。町田へ行ったのですが、ちょうど「フェスタ町田」という、エイサーのイベントが行われていました。エイサーとは、沖縄と鹿児島の奄美で、お盆の時期に踊られる伝統芸能だそうです。

鼓膜に響くくらいの大きな太鼓の音と、三線と民謡がとても迫力があり素敵で、みなさんの笑顔が印象的でした。
写真のお花は母の日に息子からもらったものです。
 


制作事例のご紹介

今回は、小田原ガス様111周年セールのチラシをご紹介しました。

制作内容:
B4サイズ チラシ、バナー

こちらからご紹介ページをご覧ください

110周年に続き、111周年のチラシのデザインをさせていただきました。小田原ガス様の社内で公募し決定した、新たなデザインの「ガスのすけ」をメインで使用したデザインです。OPでかわいい、親しみのあるデザインになました!

【一週間のAI / ITニュース】

5/8〜5/15までのAI / IT関連ニュースを一部、お知らせします。

5月13日
ChatGPT
を手がける米新興企業のオープンAIは、新型AI「GPT-4o(フォーオー)」を開発したと発表しました。従来に比べて処理スピードを2倍に高速化した一方、運用コストは半減しました。声で話しかけると、ヒトと同じ反応速度で会話ができます。「GPT-4o」のoは「すべての」を意味する「オムニ」の頭文字から取ったそうです。これまでの無料ユーザーはテキストでの会話しかできなかったのですが、ファイルのアップロードや画像認識機能などもできるようになりました。

ピタゴラスイッチ監修ポリンキーCMプランナー
佐藤雅彦さん

今回は、クリエイティブディレクターの佐藤雅彦さんをご紹介します。

佐藤雅彦さんは、1954年生まれの70歳です。
沼津市出身で、東京大学教育学部にて算数・数学教育を専攻していました。

1977年、電通に入社しセールスプロモーション局に配属されます。
1987年にクリエーター選抜試験(転局試験)に合格したのですが転局のタイミングが悪かったこともあり、なかなか仕事につかせてもらえず、暇な時間に世界中の広告を見て、ルールを発見し、個人で朝日広告賞に応募をしたそうです。

第35回朝日広告賞で入賞を果たし、次の年の第36回ではグランプリをとります。それがきっかけとなり、33歳の時にCMプランナーになったそうです。

湖池屋「スコーン」「ポリンキー」「ドンタコス」などの、商品名の繰り返しや、NEC「バザールでござーる」などの、濁音を使ったセリフなど、独自のルールやトーン(まだ言語化されていない表現の領域)を敷き、様々なヒットCMを生み出しました。

94年に独立し、企画会社「TOPICS」を設立し、広告以外の表現を始めます。97年には明和電機のグラフィックデザインなどを手がける、中村至男さんと協同デザインした、プレイステーション・ソフト「I.Q」が全世界で130万枚のセールスを記録します。「I.Q」は、キューブに押し潰されないようキャラクターを動かしながら、できるだけ少ない手数でキューブを消していくというパズルゲームです。私も遊んだことがあります!

99年から2005年までは、慶應義塾大学環境情報学部教授を務めます。大学の佐藤雅彦研究室の活動として、NHKの「ピタゴラスイッチ」を監修し、いまも携わっています。「ピタゴラスイッチ」で使用されているおしゃれな空き箱などは佐藤さんの私物だそうです。2013年に、紫綬褒章を受章されています。

主な代表作はこちらです。

・湖池屋「スコーン」
・湖池屋「ポリンキー」
・湖池屋「ドンタコス」
・ゲームソフト「I.Q」
・「だんご3兄弟」
・「ピタゴラスイッチ」
・サントリー「モルツ」
・トヨタ「カローラⅡ」

ほか多数

その中から、様々な分野のお仕事をされている佐藤雅彦さんの、一貫した表現方法「作り方を作る」をご紹介します。

「作り方を作る」(表現方法を作る)

2013年、紫綬褒章を受章された時のインタビューで、思い入れのある仕事として、ゲームソフト「I.Q」を挙げられていました。

理由としては、広告やテレビ番組には、見る人がいてその人たちに届かなくてはいけないという目的があるのに対し、ゲームソフト「I.Q」の場合は、自分の好きな世界観で自由に制作をできたからだそうです。ゲームソフト「I.Q」を制作したと同じ時に「トーン」という独自の方法論も作ったそうです。

「トーン」は、まだ言語化・ルール化されていない表現の領域を探るというものだそうです。
言語化されていない、頭では理解ができないことをどんどんひたすら続けた時に、発見があり、そこで思考がジャンプするそうです。そのジャンプが「新しいこと」につながるということです。

佐藤さんは、「数学でも科学でもそうだと思います。仮説を立ててジャンプして、うまくいったら言語化できる。」といっていました。

新しい表現方法を作れば、その表現方法で作られたものは新しいものになり、人の興味を引くことができます。算数・数学の教育においても、まずは興味を持ってもらうために、他のものとは違う新しいアプローチが大切だそうです。

佐藤雅彦研究室の本「解きたくなる数学」も、身近なもの、例えばチーズをどう切れば同じ大きさになるかや、船着き場に掛かっている、船をつないでいるロープの下の方からどう外すのかなどを、いい雰囲気のイラストや写真で表現しているので、本当に解きたくなる感じがします。

佐藤雅彦さんは、コマーシャルを作りたいわけではなく、テレビ番組を作りたいわけでもなく、ゲームを作りたいわけでもないそうです。ただ、新しい作り方を作りたいとずっと思っているそうです。

学問になる前(または言語化される前)の、人間の普遍的な疑問や興味をそのまま伝えるような、佐藤さんの表現方法は、とても身近だけれど、とても新鮮だと思いました。

いかがでしたでしょうか?

今回は様々な分野で活躍している、佐藤雅彦さんをご紹介しました。

佐藤さんは元々東大の教育学部で、算数・数学教育について学ばれていて、子どもに算数や数学を教える時に、動画や漫画がわかりやすいと思っていたそうです。それは、言語化=文章になると、数学という学問は急に難しくなってしまい、元々の楽しさが伝わりづらいと思ったからだそうです。けれど当時は漫画などの地位が低く、そんな提案を言ったら教授に怒られてしまったそうです。そこで諦めて、広告業界に進んだのですが、いまでは、教育番組でピタゴラスイッチなどの、知育番組に携わっています。

佐藤雅彦研究室の本「解きたくなる数学」にあるエピソードが印象的でしたのでご紹介します。

2009年に、佐藤雅彦研究室の最後の学生の中の数人と、数学研究会を発足したそうです。研究会は、隔週で個々が問題を作って持ち寄り、みんなで解くという内容だったそうです。ある研究会の日、当日になってもまだ問題が作れていなかった佐藤雅彦さんが、困った末に、トイレのタイルを写真に写し、図形の問題を作りました。

この問題を出すとメンバーはさっと集中し、夢中になったことが印象的だったそうです。
なぜでしょうか?

それは、写真で撮ったタイルの図形は日常的な写真で、図形には歪みがありました。メンバーは、その歪みを無意識に自分で補正して、自分に提示し直すという、「知覚の恒常性」という誰しもが持つ人間の認知能力を発動していたのだということです。

それは、飛躍した言い方になるかもしれませんが、「問題を自分事にした」という事です。このことがきっかけとなり、佐藤雅彦研究室の本「解きたくなる数学」が完成したそうです。

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長嶺 喜和|Nagamine Kiwa  facebook

デザインこねこ株式会社 代表取締役社長/クリエイティブディレクター/イラストレーター/デザイナー

1979年神奈川県小田原市生まれ。多摩美術大学情報デザイン学科(一期生)にて、インスタレーションアートを学ぶ。在学中よりウェディングアルバム制作会社の仕事の受託をはじめる。もっと様々なデザインをお客様と直接やりとりをしながらつくりたいという思いから2009年に「デザインこねこ」を創業。小田原地下街「ハルネ小田原」開業プロモーション受注を期に2016年に法人化。その後も、小田原城のリニューアル「小田原城 平成の大改修」のPR全般などをはじめ、小田原市の自治会情報誌「小田原回覧板系フリーマガジン おとなりさん」の発行(自社事業、季刊7万部発行 *現在休刊中)など、小田原市を中心とした西湘エリアにて「地域密着のデザイン会社」として展開を続ける。画家である母の影響で幼少より絵に親しみ、現在は母の主宰するアトリエ・コネコで子どもたちへ向け絵画の講師も行っている。