【明治おいしい牛乳のパッケージデザイン佐藤卓さん】

メールマガジン/バックナンバー

こんにちは!
デザインこねこの長嶺喜和です。

4月に入り新年度がスタートしますね。
デザインこねこは、2009年4月に創業し、数えると、今年が16年目のスタートでした。そのため、15周年の期間ということになります。義務教育が終わったということかなと、夫とも話していました。

今後はより一層、デザインという仕事(仕事=世の中に役に立つ)を頑張っていこうと思っております。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。


*写真は、久しぶりに行った市民農園でとれた、ルッコラとアスパラです。ルッコラの花は可愛いくて食べられるのでサラダなどにオススメです。


弊社で、分割払いができるようになりましたのでお知らせいたします。

【お支払い方法をお選びいただけるようになりました】
[ご一括・分割引落し・クレジットカード・QR決済 等]口座引き落としの分割でのお支払いが可能になりました。また、各種クレジットカードや、QR決済などにも対応いたします。ご希望の決済方法をお伝えください。

制作事例のご紹介

今回は、中井町様令和5年度 町勢要覧をご紹介いたしました。

制作内容:
無線綴じ冊子・中綴じ冊子

こちらからご紹介ページをご覧ください

中井町様の令和5年度 町勢要覧の制作は、2022年の夏〜2024年の3月という、長い期間をかけて行いました。
企画、取材、資料収集、デザイン、イラスト、原稿作成(監修)など、全てを弊社で行わせていただきました。
A4サイズ52ページの無線綴じ冊子と、小冊子版のA5サイズ16 ページ中綴じ冊子の他に、約5分間の動画の作成も行いました。
中井町の素敵さを充分に感じていただけます。かなり見ごたえがありますので、ぜひぜひ、ご覧ください!

【一週間のAI / ITニュース】

3/27〜4/2までのAI / IT関連ニュースを一部、お知らせします。

3月30日
岸田文雄首相とバイデン米大統領が4月10日に米ワシントンで行う、日米首脳会談の共同声明の原案が判明しました。日米の関係を「グローバル・パートナーシップ」と位置づけ、AIや半導体といった先端技術の連携強化を打ち出します。安全保障に加え、経済分野でも日米の強固な結び付きをアピールします。

明治おいしい牛乳のパッケージデザイン佐藤卓さん】

前回に引き続き、日本を代表するデザイナーの紹介をしていきます!
今回ご紹介するのは佐藤卓(たく)さんです。

佐藤卓さんは、1979年に東京藝術大学デザイン科卒業後、1981年同大学院修了しています。
当時、大学院はあまり人気がなかったそうなのですが、大学3年生の時から始めた、ロックバンド(パーカッショニストとして参加)の活動を続けたいために、進学したそうです。

その後、オリジナルメンバーの就職のため、バンドは解散となりましたが、佐藤卓さんは一人でパーカッショニストとしての道を探っていました。しかしある日、大学の課題の作品作りの際に、集中して細い線を描く時に、パーカッションの叩きすぎが原因で、手が震え、線が描けなかったことがきっかけとなり、「音楽を取るかデザインを取るか」を考え、音楽の道から離れ、就職活動をすることになりました。


株式会社電通に入社し、3年間、デザインの0から全てを、先輩から現場で学んだそうです。(当時は、時には手も出ていたそうです)
もともと3年か5年で会社はやめることを決めていた佐藤さんは、電通を退社し、1984年に佐藤卓デザイン事務所(現 株式会社TSDO)を設立しました。

佐藤卓さんの代表作

・ニッカ ピュアモルト
・明治おいしい牛乳(パッケージデザイン)
・ロッテ キシリトールガム(パッケージデザイン)
・Eテレ「デザインあ」(総合指揮)
・国立科学博物館(シンボルマーク)
・金沢21世紀美術館(シンボルマーク)

他多数

いくつかご紹介していきます!

ニッカ ピュアモルト

電通に入社し2年ほど経った頃、佐藤さんはニッカの広告を担当してました。その時にふと「飲みたいウイスキーがひとつもないな」と思い、先輩アートディレクターにさりげなく伝えたそうです。
すると先輩が、「与えられた商品ではなく、ウイスキーそのものから考えてみないか?」と自主プレゼンの場を用意してくれました。
佐藤さんはまず、ニッカウイスキーのことを勉強するため、取材に行きました。工場に何度も行き、ニッカの歴史を調べ、ブレンダーにインタビューなど、とにかく徹底的に調べました。また、当時の若い人たちの生活や価値観も調査しました。

佐藤さんは新しいウイスキーの、値段、ネーミング、パッケージ、容量、広告宣伝、など全てをプレゼンしました。
自分の世代の若者の価値観を伝えるために、ヨレヨレのTシャツのほうが、首周りがしっかりしたTシャツよりかっこいいということや、新築の綺麗な部屋よりも、少し古びた部屋を改造して暮らす方がスマートだということを、プレゼンで伝えました。
価値観を共有し、理解してほしいのではなく、経営層とは全く違った価値観を持つ世代が生まれていることを伝えたかったそうです。

ニッカ上層部の年配の方々は、プレゼンを見て、「んー」とうなって、どう判断したらいいのか「わからない」と気づいた表情をしたそうです。それをみた佐藤さんは「もしかするとこの仕事は日の目を見るかも」と思ったそうです。
「わからない」から全ては始まるのです。
その後もプレゼンを続け、上層部も「おお、それを商品にしてみるか」という気持ちになってくれてたそうで、1984年に商品が発売となりました。

今では普通になってきた、リユースの観点で、ウイスキーの瓶は再利用することを前提にしているデザインです。
主張しない、普遍的な存在感のある瓶で、ラベルも剥がしやすい素材のものを使用し、専用のコルク栓もつけました。評判はとてもよく、青山のおしゃれなブティックに、ニッカ ピュアモルトの空き瓶が並べられているのを発見した時は、「自分が想定していたことが現実となって目の前にある」ことを実感し、とても嬉しかったそうです。

明治おいしい牛乳

2000年にデザインの話をもらった時には、ネーミングも絞られた後だったそうです。「明治おいしい牛乳」というネーミングについては、「少なくともこれはないな」と思い、目の前が暗くなったそうです!

色々と試行錯誤していく中で、商品の「ナチュラルテイスト製法」という、「しぼりたての生乳の味をできるだけそのまま味わってほしい」というコンセプトを見つめ直し、
とにかくシンプルに、デザインをしていないように見せたいという思いでデザインをしたそうです。

その結果、ありえないネーミングだと思っていた「明治おいしい牛乳」が、演出を感じない、されていないことで、試行錯誤し、だんだんとフォーカスが合っていくように、「素直なデザイン」が完成しました。

Eテレ「デザインあ」

Eテレの子ども向け人気番組「デザインあ」のネーミングは、以下のような意味を込めているそうです。
「あ」は「あいうえお」の最初の「あ」。つまり物事の最初です。
世界初の子どものためのデザイン番組の意味であり、子どもの時に初めてデザインを意識するきっかけの「あ」だそうです。

さらにもう一つの意味は、私たちが何かを思いついた、気づいた時に発せられる、気づきの「あ」です。佐藤卓さんは、小学校の義務教育の授業に、デザインを取り入れるべきだと思っているそうです。なぜならば、デザインはありとあらゆる物事と人との間になくてはならないもので、人の営みの中で何かに気づき、これからを想像し、先を読み、対処するのがデザインだとしたら、それは「気づいて思いやる」こと、つまり「気づかう」ことだからです。デザインは、道徳や地球環境の今後にもつながる大切な教科になると、佐藤卓さんの本「塑(そ)する思考」にも書いてありました。

いかがでしたでしょうか。

佐藤卓さんの「ニッカ ピュアモルト」の瓶、欲しくなってしまいました。

佐藤卓さんのことを調べていると、デザインに対するストイックさを感じました。

例えば、「引き出しは持つな」という考えを持っていて、それは、常に新しいことに接するので、引き出しから出すのではなくて、その時、今、0から考えなくてはいけないという考えです。

刻々と変化をしている中、常に本当に0からっていう姿勢でやる、ということ。背筋が伸びるような感覚がしました。

デザインの確認や修正のやりとりについて、今後LINEを主に使用していこうと思っております。
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長嶺 喜和|Nagamine Kiwa  facebook

デザインこねこ株式会社 代表取締役社長/クリエイティブディレクター/イラストレーター/デザイナー

1979年神奈川県小田原市生まれ。多摩美術大学情報デザイン学科(一期生)にて、インスタレーションアートを学ぶ。在学中よりウェディングアルバム制作会社の仕事の受託をはじめる。もっと様々なデザインをお客様と直接やりとりをしながらつくりたいという思いから2009年に「デザインこねこ」を創業。小田原地下街「ハルネ小田原」開業プロモーション受注を期に2016年に法人化。その後も、小田原城のリニューアル「小田原城 平成の大改修」のPR全般などをはじめ、小田原市の自治会情報誌「小田原回覧板系フリーマガジン おとなりさん」の発行(自社事業、季刊7万部発行 *現在休刊中)など、小田原市を中心とした西湘エリアにて「地域密着のデザイン会社」として展開を続ける。画家である母の影響で幼少より絵に親しみ、現在は母の主宰するアトリエ・コネコで子どもたちへ向け絵画の講師も行っている。