【アップサイクルとカーボンニュートラル】

メールマガジン/バックナンバー

こんにちは! デザインこねこの長嶺喜和です。 
もう数日で9月も終わりですね!まだ半袖を着ていますが、だんだん涼しくなってきて、一気に秋に突入しそうです。 

芸術の秋。私の母が運営していて、私も講師をしている、絵画教室アトリエ・コネコでは、子ども達が抽象画に挑戦しました! 竹ペンに墨汁をつけて自由に模様や線を描き、水彩絵の具で着色しました。(テーマは「今の気持ち」)

【アップサイクルとカーボンニュートラル】

公益社団法人日本パッケージデザイン協会が、パッケージのデザイン性や創造性を競うコンペティション「日本パッケージデザイン大賞2023」の入賞作品31点を発表しました。
https://www.jpda.or.jp/award/4663.html

大賞には、資生堂「BAUM」が選出。(応募総数1060点の中から1作品)BAUM(バウム)は樹木がもつ「貯水」「成長」「環境防御」の3つのはたらきに着目した、資生堂の化粧品ブランドです。樹木由来の天然香料を中心に調合した香りを使用したり、売上の一部を、森林の保全活動に還元したり、など、「樹木と人との共生」「循環を未来につなぐ」といったフィロソフィー(哲学)を持っています。
今回大賞となったパッケージについてBAUMのパッケージに使用する木製パーツには、家具製造の過程で出る端材を再利用していて、その取り組みは、「カリモク家具」とのコラボレーションにより実現したそうです。
東北や北海道地方で採取されるオーク材を無駄なく、アップサイクルし、素材を蘇らせ使用。継ぎ目や天然木ならではの節や色むらなど、すべてが世界にひとつの個性であり、貴重な味わいとなっています。 プロダクトデザインの審美性や機能性のみならず、社会性のある活動も評価され、今回の受賞に繋がったそうです。

ウッドチェンジ

身の回りのものを木に変える、木を暮らしに取り入れる、建築物を木造化・木質化するなど、木の利用を通じて持続可能な社会へチェンジする行動を指します。 林野庁では、平成17年度から、木材を利用することの意義を広め、木材利用を拡大していくための国民運動として、「木づかい運動」を展開しています。
https://www.rinya.maff.go.jp/j/riyou/kidukai/top.html

いま、超高層ビルも、木造のものが国内に増えてきています。 大林組は、柱・梁・床・壁全てを木造で構成した、「純木造」の高層ビル「Port Plus(ポートプラス)」を横浜に建設。https://www.oyproject.com/
2022年6月から研修施設として利用を開始しました。高さ44メートル(地下1階・地上11階建て)は、純木造の耐火建築物としては国内最高となります。 純木造の高層ビルを実現するためには、耐震や耐火など、たくさんの課題があったそうなのですが、新技術を駆使することで、木造でありながらも鉄筋、コンクリートの建築物同等の耐火性、耐震性、遮音性を実現したといいます。木造の建築にすることで、コンクリートや鉄骨の製造過程で大量に発生する二酸化炭素(CO₂)がなくなるため、カーボンニュートラル(脱炭素)の潮流もあり、木材という資源への回帰が世界的に進んでいます。

国産木材を活用=森林再生

国産材を使用するための技術開発も進み、国内の林業活性化につながると期待されています。日本の国土は約3分の2が森林でその40%が人工林でありながら、木材自給率が低いことが問題視されていました。 戦後に植樹された杉や桧がちょうど利用適齢期を迎えている今、積極的に国産木材を活用することが森林再生にもつながると言われています。

木でできた空間やプロダクトは、なんとなく、ほっとしますよね。便利になった世の中で作られた、安価な素材より、自然のものを使用すると、高額になってしまうこともあると思うのですが、未来のために、できる限り、地球と私たち生命体が、調和のとれた営みをしていきたいなと思いました。

長嶺 喜和|Nagamine Kiwa  facebook

デザインこねこ株式会社 代表取締役社長/クリエイティブディレクター/イラストレーター/デザイナー

1979年神奈川県小田原市生まれ。多摩美術大学情報デザイン学科(一期生)にて、インスタレーションアートを学ぶ。在学中よりウェディングアルバム制作会社の仕事の受託をはじめる。もっと様々なデザインをお客様と直接やりとりをしながらつくりたいという思いから2009年に「デザインこねこ」を創業。小田原地下街「ハルネ小田原」開業プロモーション受注を期に2016年に法人化。その後も、小田原城のリニューアル「小田原城 平成の大改修」のPR全般などをはじめ、小田原市の自治会情報誌「小田原回覧板系フリーマガジン おとなりさん」の発行(自社事業、季刊7万部発行 *現在休刊中)など、小田原市を中心とした西湘エリアにて「地域密着のデザイン会社」として展開を続ける。画家である母の影響で幼少より絵に親しみ、現在は母の主宰するアトリエ・コネコで子どもたちへ向け絵画の講師も行っている。