イーロン・マスク ツイッター

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今日もイーロン・マスクさんについてです。今回はついに「ツイッター」社についてです。先日の6兆円規模の衝撃の買収報道以降、色々な憶測が飛び交っていますので、これも目的などを少し整理してみたいと思います。

まず現状ですが、まだマスク氏の買収は完了していません。と言うのも、マスク氏は米国の企業買収に関する法律に基づき、FTC(米連邦取引委員会)と司法省に届け出を行い、反トラスト法(独占禁止法)上の調査を要する場合のために少なくとも30日間待機することが義務付けられています。本格的な調査が必要と判断された場合には、取引完了はさらに遅れる可能性があります。

では、まず買収前の「ツイッター」社の現状から見て行きます。

ツイッターのユーザー数ですが、日本では多いのですが、実は世界のSNSランキングで見ると13位と苦戦しています。

デイリーユーザー数は2億1700万人です。世界最大のSNS(交流サイト)であるフェイスブックは19億2900万人(2021年12月末時点)ですので約10分の1の規模です。インスタグラムやTikTok(ティックトック)などにも大きく差をつけられています。

次に経営状況ですが、2015年に創業者ジャック・ドーシーCEOに返り咲いてから好調でしたが、物言う株主からは「スクエア」社との掛け持ち経営や、売り上げの伸び悩みから退任を求められ、2021年11月辞任していました。

2021年通年決算は、売上高前年比37%増の51億ドル(約5900億円)ですが、株主集団訴訟の和解金、人件費や研究開発費などがかさみ、純利益は2割近く減り純損失は2・2億ドル。前年は11億ドルの赤字と2年連続の赤字です。

時価総額でも、フェイスブックのメタ社の時価総額が約29兆円に対してツイッター社は2021年2月に5兆円を突破した程度です。

このように、表面的な買収ビジネスとしては決して魅力的な状態ではないツイッターですが、ポジションは経営状況をはるかにしのぐカリスマ性を持っています。

言論の場としてのツイッターは大統領から裏垢まで、すべての人間が同じ140文字で発言しています。メディアとしての影響力は絶大で、記憶に新しいのはトランプ前大統領のツイッターを利用した選挙戦ではないでしょうか。

結果的に、支持者が暴徒化して連邦議会議事堂に乱入し、それをきっかけにツイッターはトランプ氏の個人アカウントを凍結しました。

それ以前から、ツイッター社ではヘイトやフェイク情報問題への対策として、その都度規制が強化されてきましたが、ここにきて「ツイッターの魂の体現者」と呼ばれたいた創業者であり前CEOのジャック・ドーシー氏が株主によって辞任に追い込まれたことで、規制にさらに拍車がかかるという見込みがあります。現に、ツイッターはコンテンツモデレーション(不適切な投稿の監視作業)の指針を強化しました。

自身もヘビーなツイッターユーザーのマスク氏は、今回の買収の理由として4月に開かれた講演会TEDカンファレンスでこのように発言しています。

「経済的なことはどうでもいい」

「これ以上ないほど信頼され、概ねインクルーシブ(包摂的)な開かれたプラットフォームがあることは、未来の文明にとって極めて重要だという強い直観があるだけだ」

マスク氏の言葉だけを受ければ、ツイッターのメディアとしての絶大な影響力と、その割に値段が安いということ、そして、そのアイデンティティが失われ弱体化しそうな危惧で動いたのではないかと思います。

しかし、もちろんマスク氏の持ち前のスマートさでツイッターをスペースXやテスラでの事業と掛け合わせれば、経済的にも面白いことを起こすのではないかと期待してしまいます。

参考:Bloomberg「マスク氏のツイッター買収、米FTCが反トラスト審査開始-関係者」
参考:JBpress「イーロン・マスクのツイッター買収、その衝撃度」
参考:BUSINESS INSIDER「本社はテキサスに移転するの?…Twitterのユーザーと従業員がイーロン・マスクに聞きたい6つのこと」
参考:BUSINESS INSIDER「ツイッターの新CEOはインド系37歳、機械学習とAIの専門家…ジャック・ドーシーがCEOを辞任」
参考:BUSINESS INSIDER「プラットフォームの『言論規制』はアリ?ツイッターは全投稿の内容に責任を取るべきか【尾原和啓×シバタナオキ】」
参考:YAHOO!ニュース FRIDAY DIGITAL「Twitterを買収するイーロン・マスクの『ヤバすぎる野望』」
参考:YAHOO!ニュース c/net Japan「Twitter買収のマスク氏、創業者ドーシー氏から『唯一の解決策』と称賛ツイート」
参考:YAHOO!ニュース GIZMODO「イーロン・マスクのTwitter買収に対するジェフ・ベゾスやビル・ゲイツの反応」
参考:東京新聞 TOKYO Web「Twitter社が一転、イーロン・マスク氏の買収提案を受け入れ 買収額5兆6000億円 投稿規制を大幅緩和か」
参考:BRIDGE「なぜTwitterの株主はジャック・ドーシーの追放を求めるのか」
参考:WE LOVE SOCIAL「【2022年4月版】人気ソーシャルメディアのユーザー数まとめ」
参考:Insta Lab「【最新Excel配布中】日本・世界のSNSユーザー数まとめ(Facebook,Twitter,Instagram,YouTube,LINE,TikTok)」
参考:朝日新聞DIGITAL「米ツイッター、2年連続赤字 世界利用者は13%増の2.2億人」
参考:Forbes JAPAN「時価総額5兆円突破のツイッター、『トランプ永久追放』を宣言」
参考:ITmedia Mobile「イーロン・マスク氏のTwitter買収で何が変わるのか? 問われる“自由”の意義」

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