【さくらももこ作品を100冊以上手がけたブックデザイナー】

メールマガジン/バックナンバー

こんにちは!
デザインこねこの長嶺きわです。

先日、近所にある居酒屋の「かも笑」さんへ夫婦で行ってきました!場所は足柄駅や白山中学校の近くです。店主の加持さんや、奥さんと久しぶりにお話もでき、嬉しかったです。お料理がとても美味しいのでおすすめです!

制作事例のご紹介

今回は、近藤会計事務所様「セミナー用ノート」をご紹介しました。

制作内容:A4中綴じ冊子

こちらからご紹介ページをご覧ください

投資についてのセミナーで使用するためのオリジナルのノートです。預貯金口座や、所有している不動産などの資産についてや、忘れてしまいがちなパスワード関係、親族表などを書き込めることができ、大切な情報を一冊にまとめておけるものです。

どのような内容が必要か?など、何度もお客様と話し合いながら制作いたしました。このようなノートが一冊あるととても便利ですよね。

【一週間のAI / ITニュース】

5/22〜5/28までのAI / IT関連ニュースを一部、お知らせします。

5月25日

イタリアで開かれていた主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議が閉幕しました。中国による工業製品の「つくりすぎ」が世界経済に悪影響を与えるとの懸念を共有 したそうです。特に問題となっているのは、中国企業による電気自動車(EV)の過剰生産だそうです。

さくらももこ作品を100冊以上手がけたブックデザイナー

今回は、日本を代表するブックデザイナーである、コズフィッシュの祖父江慎(そぶえしん)さんをご紹介します!

祖父江慎さんは、1954年生まれの65歳です。愛知県出身で、多摩美術大学グラフィックデザイン学科に入学し、漫画研究会に入ります。

その時の先輩に漫画家の、しりあがり寿さん、喜国雅彦さんがいます。在学中の1981年からグラフィックデザイナーの杉浦康平さんに憧れて、出版社の工作舎でアルバイトを開始します。そのまま大学は中退となりました。1987年に、工作舎を退社。その後、秋元康さんが設立した株式会社フォーセールに入社し、アートディレクターを務めます。1988年フリーとなり、1990年にコズフィッシュを設立しました。

代表的な作品です

・さくらももこ『神のちから』『あのころ』
・吉田戦車『伝染るんです。』
・ほぼ日ブックス『言いまつがい』
・ 夏目漱石『心』(刊行百年記念版)
・スヌーピーミュージアム東京(展覧会グラフィック、グッズデザイン)
・ミッフィー展(展覧会グラフィック、グッズデザイン)

他多数

夏目漱石『心』

刊行百年記念の新装版として2014年に発刊された、夏目漱石の『心』のブックデザインを祖父江さんが手がけました。

祖父江さんと夏目漱石との出会いは、中学生の時だったそうです。当時の祖父江さんは、本を読むと、文字の形が気になってしまい、読み進めるのが苦手だったそうです。それを克服するために、お小遣いで買った文庫が『吾輩は猫である』だったそうです。その後、大人になり、2004年頃から色々な出版社の『坊っちゃん』を集め始めます

『坊っちゃん』が書かれてから118年も経ちますが、いまだに多くの出版社から出版され続けていて、内容は同じでも、時代により本の体裁や書体が少しずつ変わっているそうです。さらに、出版社によって、約物・記号の入り方や文末・文頭のあけ方が違っていたり、時代や想定読者の違いによっても漢字やルビの付き方、書体が違っています。明治時代は、作家が書いた通りに組むことがスタンダードだったのが、大正時代になると出版社ごとに独自のハウスルールが生まれてきたそうです。例えば講談社は雑誌からスタートしているので、ページに文字を詰め込む傾向があり、句読点を押し込んで、一行に一文字でも多く詰め込みたがるそうです。一方、岩波書店のように単行本が主流の出版社は、改行や行間を設けて全体的にゆったりと作っているそうです。そうすると、同じ作品でも出版社のハウスルールによって印象が変わりますので、その違いが面白く、『坊っちゃん』を集め始め、書籍・文庫は500冊以上、コミック化された『坊っちゃん』や『坊っちゃん』批評や関連本を合わせれば1000冊以上にもなってしまったそうです。

「いつか漱石の本を作ってみたいな、その時は岩波書店さんがベストだな。」と思っていたところ、岩波書店の編集部から声がかかりました!岩波書店の編集部が祖父江さんに声をかけたのは、雑誌『d/SIGN』8号(太田出版、2004年)に祖父江さんが書かれた「原寸!「坊っちやん」本文組100年」を読んだことがきっかけだったそうです。ずっと憧れていたブックデザイナーの祖父江さんが、漱石にとんでもなく詳しいということを知った編集部は「祖父江×漱石×岩波」という組み合わせの本を読んで見たいという夢が芽生え、形になったそうです。

いかがでしたでしょうか?

祖父江さんのデザインテーマは『うまくいかない喜び』だそうです。

例えば、書籍の印刷を頼むときも、「これは版がズレてもうれしいです」「むしろ、ズラしてください」と言うと、印刷所にとっての失敗のリスクが減るから、祖父江さんが手がける奇抜なデザイン(本のノド部分に文字がかかっていたりする)でも、印刷してくれるそうです。印刷所にとっての失敗のリスクが減るから、祖父江さんが手がける奇抜なデザイン(本のノド部分に文字がかかっていたりする)でも、印刷してくれるそうです。

文章と向き合う仕事は、つい頭の中で論理性を優先させてしまいますが、読み手によって読みやすいデザインを考えた時には、直感的な部分が必要になってくるのだと思います。その時に、「仕事」として「きっちり」しなくては。「定型通り」にしなければ。という気持ちが邪魔をする場合があるのだと思います。そんな時には「自分の独特さを信じて、依頼の有無に関わらず、良いものを作る。」ということが大切だと学びました。


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長嶺 喜和|Nagamine Kiwa  facebook

デザインこねこ株式会社 代表取締役社長/クリエイティブディレクター/イラストレーター/デザイナー

1979年神奈川県小田原市生まれ。多摩美術大学情報デザイン学科(一期生)にて、インスタレーションアートを学ぶ。在学中よりウェディングアルバム制作会社の仕事の受託をはじめる。もっと様々なデザインをお客様と直接やりとりをしながらつくりたいという思いから2009年に「デザインこねこ」を創業。小田原地下街「ハルネ小田原」開業プロモーション受注を期に2016年に法人化。その後も、小田原城のリニューアル「小田原城 平成の大改修」のPR全般などをはじめ、小田原市の自治会情報誌「小田原回覧板系フリーマガジン おとなりさん」の発行(自社事業、季刊7万部発行 *現在休刊中)など、小田原市を中心とした西湘エリアにて「地域密着のデザイン会社」として展開を続ける。画家である母の影響で幼少より絵に親しみ、現在は母の主宰するアトリエ・コネコで子どもたちへ向け絵画の講師も行っている。