【衝撃的だったサントリーウーロン茶CM 葛西薫さん】

メールマガジン/バックナンバー

こんにちは!
デザインこねこの長嶺喜和です。

先日、中井町のお祭り「五所八幡宮例大祭」に行ってきました。850年以上の歴史を持つと言われる「かながわのまつり50選」のひとつだそうです。
江戸後期に作られた、半分形、大久保、宮本、藤沢の四地区の山車が神社の下に勢揃いした後、御霊遷(みたまうつし)という神事が行われました。「五所宮囃子」という祭囃子の社喫(鐘、大太鼓、小太鼓、笛の演奏)を
4つの山車が順番にしていくのですが、すごい早いテンポだったり、それぞれが少しづつ違い、面白かったです!
出店もたくさんあり、食べ物の他にも、昔懐かしい射的や輪投げなどもあり、楽しめます。毎年4月29日に行われていますので、また行きたいです。

弊社で、分割払いができるようになりましたのでお知らせいたします。

【お支払い方法をお選びいただけるようになりました】
[ご一括・分割引落し・クレジットカード・QR決済 等]口座引き落としの分割でのお支払いが可能になりました。また、各種クレジットカードや、QR決済などにも対応いたします。ご希望の決済方法をお伝えください。

制作事例のご紹介

今回は前回に引き続き、社会福祉法人 県西福祉会様が運営する、洋菓子店「ふくらん」の、ギフトボックス、しおり、看板をご紹介しました。

制作内容:
ギフトボックス、しおり、看板

こちらからご紹介ページをご覧ください

社会福祉法人 県西福祉会が運営する、南足柄にある、働く障害者を支援する洋菓子店の「ふくらん」さん。

弊社で最初に制作させていただいたのは、ギフトボックスでした。
ギフトボックスのデザインのトンマナ(トーン&マナー)を守りながら、しおりの制作もいたしました。しおりは、利用者さんが二つ折りにすることが前提だったため、少しずれてしまっても可愛くなるような、デザインにしています。
ぜひぜひご覧ください!


 

【一週間のAI / ITニュース】

4/24〜4/30までのAI / IT関連ニュースを一部、お知らせします。

4月30日
「責任あるAI(人工知能)」の開発を巡り、主要7カ国(G7)を中心とする国際連携組織「AIに関するグローバルパートナーシップ」(GPAI)のアジアでの支援拠点が、今夏までに東京に開設されます。

*責任あるAIとは
公平性、信頼性と安全性、プライバシーとセキュリティ、包括性、透明性、説明責任の6つの原則に従い、善意を持ってAIを設計、開発、展開することです。

衝撃的だったサントリーウーロン茶CM 葛西薫さん

今回は、日本を代表するアートディレクターであり、前回ご紹介した、サン・アドの取締役副社長葛西薫(かさいかおる)さんをご紹介します。

葛西薫さんは、1949年北海道札幌市生まれの75歳です。
高校時代に通信教育でレタリングを学び始め、高校卒業後、東京の文華印刷で版下職人として住み込みで勤務をします。拡大機やコピー機もない時代、どうすれば原稿の拡大縮小を早くできるか、トレーシングペーパーで対角線を引いて比率を合わせたりして、効率よく仕上げる技を身に付けたそうです。

1968年にオープンした、西武百貨店渋谷店の小印刷物の版下を製作した時に、「これからは西武の時代だ」と思い、当時デザインを担当していた、大谷デザイン研究所に転職をしました。そこでレタリングやデザインの仕事を本格的にするようになり、版下職人からグラフィックデザイナーになったそうです。

その後、文華印刷時代に知り合ったコピーライターの桑原圭男さんに誘われ、朝日広告賞に応募し、1971年の応募作品で準朝日広告賞を受賞。桑原圭男さんはその作品を携え、サン・アドに売り込みに行き、入社。その後、葛西さんは1973年にサン・アドの募集を見て受験し、入社となりました。

主な代表作はこちらです。

・サントリーウーロン茶
・サントリー モルツ
・虎屋
・ユナイテッドアローズ
・tsumori chisato

ほか多数

一部ご紹介いたします。

サントリーウーロン茶

葛西薫さんは、1983年から30年近く、サントリーウーロン茶の広告の制作をしました。コピーライターの安藤隆さんがサントリーに自主プレゼンテーションをするかたちで始まったそうです。イラストシリーズから実写シリーズとなり、中国で撮影したCMは話題となりました。

当時、ウーロン茶は日本で全く知られていませんでした。私もCMを覚えていますが、中国を舞台に中国人キャストで作られたCMは、人民服のようなシンプルな衣装を身につけた、若い中国人たちが印象的で、ブルーがかった世界観がとても綺麗でした。
中国ののどかな農村や、民家を背景に繰り広げられる世界観は、質素だけれど上質な、シンプルな美しさがあり、コピーの「中からきれいになる国」にぴったりでした。

あのCMの空気感は、衝撃的だったのですが、葛西薫さんは、世の中を驚かそうと思って作ったわけではなく、いいものを作ろうという思いで制作をしたそうです。世の中の広告は、わっと驚かすものが多い中、「シーンと静かにしているほうが目立つのではないか」という思惑もあったそうです。

中国の長い歴史、雄大な山間部、そんなすごい大地に生まれたウーロン茶だから、その背景を中国から借りられたことで、そのままの表現で、サントリーウーロン茶のイメージとなっています。

虎屋

「自由で新しいお菓子の世界の提案」というコンセプトのもと、2003年から虎屋が展開してきたTORAYA CAFÉ。
2016年4月にTORAYA CAFÉ・AN STAND(トラヤカフェ・あんスタンド)が新宿駅新南口に誕生しました。

葛西薫さんは、クリエイティブディレクター・アートディレクターとしてパッケージのデザイン、ネーミングなどを考えることで企画に加わりました。参加した当初は、かかわっているメンバーが多く、それぞれの思い、新しいことへの気負いがあり、切羽詰まっている雰囲気だったそうです。

そこで葛西薫さんは、資生堂パーラーのパッケージデザインなどを手がけている、大先輩のグラフィックデザイナー仲條正義さんに、「虎を自由に描いてください」と、お店の壁面にアートワークの制作を依頼しました。そして、工程上ぎりぎりのタイミングで上がってきた絵を見た瞬間に、メンバーから「わーっ!」と大歓声が起こり、その瞬間からスイッチが入り、商品のデザインから何からプロジェクトが一気に転がり始め、無事オープンすることができたそうです。

これまで、メンバーが築き上げた理論的な部分があり、そこでぐるぐると同じ所を回ってしまっていたものが、
仲條さんのアートワークを見た瞬間に、視覚化されたことで、一気に天窓が開いたということです。

その後、本体である「とらや」から声がかかり、クリエイティブディレクターという立場で、お店の形状、ディスプレー、パッケージ、広告などの全体を見る仕事をしています。

虎屋の仕事は、葛西薫さんが50歳を過ぎてからの仕事なのですが「年齢を経てからの依頼でよかった」と思ったそうです。

室町時代の後期に創業し500年の歴史を誇る和菓子屋の虎屋では、これまで使っていたグラフィックの要素が長年の間に不統一になっていたそうで、まずは整理整頓をすることから始めたそうです。そして、立派な伝統があるので、それに相応しいように極力装飾を抑え、器用にならないように意識したそうです。

葛西薫さんの考え方は、広告は、「こんなにすごい」を見せつけるものが多いですが、そうではなく、一人ひとりが持っている「素の感覚」に結び付けていくことが大切という考え方です。

広告など、マスコミュニケーションも、一人ひとりということを意識するそうです。見る人、つくる人、クライアントも一人ひとりで、その「一人」に、より伝わるように、最小限の要素だけで組み立てると、より伝えたいことが伝わるそうです。

いかがでしたでしょうか?

本日は、葛西薫さんをご紹介しました。
葛西さんが版下職人だったのが1967年頃ですので、今から57年前のことです。

57年の歳月の中で、コピー機やパソコンができ、インターネットも生まれ、今やAIの時代ですね。技術の発展はとても早く、使う道具はどんどん変わっていきますが、人間の軸になる部分については、あまり変わらないのだと思います。

葛西薫さんの、一人ひとりが持っている「素の感覚」を大切にしているという、広告の考え方は、とても勉強になりました。

デザインの確認や修正のやりとりについて、今後LINEを主に使用していこうと思っております。LINEの友達登録は、以下からよろしくお願いいたします。

長嶺 喜和|Nagamine Kiwa  facebook

デザインこねこ株式会社 代表取締役社長/クリエイティブディレクター/イラストレーター/デザイナー

1979年神奈川県小田原市生まれ。多摩美術大学情報デザイン学科(一期生)にて、インスタレーションアートを学ぶ。在学中よりウェディングアルバム制作会社の仕事の受託をはじめる。もっと様々なデザインをお客様と直接やりとりをしながらつくりたいという思いから2009年に「デザインこねこ」を創業。小田原地下街「ハルネ小田原」開業プロモーション受注を期に2016年に法人化。その後も、小田原城のリニューアル「小田原城 平成の大改修」のPR全般などをはじめ、小田原市の自治会情報誌「小田原回覧板系フリーマガジン おとなりさん」の発行(自社事業、季刊7万部発行 *現在休刊中)など、小田原市を中心とした西湘エリアにて「地域密着のデザイン会社」として展開を続ける。画家である母の影響で幼少より絵に親しみ、現在は母の主宰するアトリエ・コネコで子どもたちへ向け絵画の講師も行っている。