【ポスターの力】

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こんにちは!
デザインこねこの長嶺喜和です。

お盆の期間は、いかがお過ごしでしたでしょうか。私は、少しゆっくり過ごしていました。というのも、近所に住む母の家に、小4の甥が一人で泊まりに来ていて、私の息子も便乗して連泊をさせてもらっていたからです。土日には、我が家の市民農園に甥を連れていったり、中央図書館へも行きました。少年たちにとっては、とても楽しい時間だったみたいです。

一週間のITニュース】

8/9〜8/15までのIT関連ニュースを一部、お知らせします。

8月9日
バイデン米政権は、先端半導体と量子技術、AIの3分野を対象に、米企業などによる中国への投資を規制すると発表しました。安全保障上の強い脅威となり得る場合は投資を禁止します。こうした最先端の技術を中国が軍事転用することを防ぐねらいがあります。


8月10日
米カリフォルニア州は、google傘下のウェイモと、ゼネラルモーターズ(GM)傘下のクルーズの2社に、サンフランシスコ市内で自動運転車による「完全無人タクシー」の24時間営業を認めました。


8月12日
アマゾン・ドット・コムやメタなど、アメリカの主要なテクノロジー企業5社の従業員数が減少に転じました。これらの企業は、大規模なレイオフ(一時解雇)などを通じて成長の方向性を見直し、AIを活用した自動化分野にも注力しています。これまでインターネット産業の成長とともに増加してきたテック大手の雇用力も、ピークを過ぎた可能性が高まっています。

ポスターの力】

夏休みの宿題で、ポスターを描く宿題があります。
内容は、交通安全や、文化財保護など、標語を記載します。このようなポスターは、啓蒙系ポスターと呼ばれています。

ポスターには、他にも以下のような種類があります。

・選挙
・商品やサービス
・映画やコンサート
・イベント
・募集

イベントポスターなどは、弊社でも制作しており、とても身近なものです。

他には、プロパガンダ・ポスターというものもあります。政治思想の浸透や拡散を目的にしたもので、戦時期の日本においては、帝国政府や軍を依頼主として、大判で色鮮やかな多種多様なプロパガンダ・ ポスターが大量に製作されたそうです。

そんな色々な種類のあるポスターですが、今回「ヒロシマ・アピールズ」ポスターという事業を知り、皆さまにご紹介したいと思います。

「ヒロシマ・アピールズ」ポスター
「ヒロシマの心」を、言葉を超えて広く内外に訴える事業として、1983年にスタートしました。

現在は、公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会〈JAGDA〉(佐藤卓会長)広島地区、一般財団法人広島国際文化財団(山本慶一朗理事長)、公益財団法人ヒロシマ平和創造基金(岡畠鉄也理事長)の主催により、JAGDAを代表するデザイナーが毎年1枚、ボランティアでポスターを制作しています。

第1回作品の「燃え落ちる蝶」は1983年、当時JAGDA会長だった故・亀倉雄策氏が制作し、後に「第6回ラハティ国際ポスタービエンナーレ展」で最高賞を受賞するなど、大きな反響を呼びました。

「美しきものの象徴であるチョウが燃え、そして消滅してしまう原爆の不気味さと恐怖感を幻想的な図柄を通して描きたかった。責任重大だったが、このポスターが多くの人の共感を得られるよう願っている」

今年のポスターは、ユニット「明和電機」のグラフィックを手がけている、中村至男さんのデザインです。
「人差し指」というタイトルのデザインなのですが、人間の弱さを象徴しているそうです。

核兵器は人間の所業に他ならない。人が起こすことは人が止められるのだ。
そんなことを想いながら1945年と地続きの”今”を表現した。この指は人間の弱さの象徴である。「人差し指」と名づけたこの一枚。2023年、広島からの訴えをつなぐ鎖のひとつになれたらと願っている。
https://hiroshima.jagda.or.jp/appeals_year.html 引用)

いかがでしたでしょうか。

今回ご紹介した「ヒロシマ・アピールズ」ポスター事業は、今年で40年になります。アーカイブを見ると、錚々たるグラフィックデザイナーの作品を見ることができます。

アーカイブはこちらから
https://hiroshima.jagda.or.jp/appeals.html

1945年8月6日に広島に原子爆弾が落とされたこと。
そのことでたくさんの悲しみが生まれてしまったこと。
時は過ぎ、私は戦争を教科書で知ることになります。

現在、世界で起こっている戦争のニュースは見ていて知っていても、「まさかミサイルなんて飛んでこないだろう」と、私は戦争の当事者ではない意識が、まだ、どこかにあると思います。

ポスター「人差し指」を見て、私も、自分が考えたい方向へ考えてしまう、弱いところがあるので、「当事者なんだよ」ということを自分に言い聞かせたいと思いました。

長嶺 喜和|Nagamine Kiwa  facebook

デザインこねこ株式会社 代表取締役社長/クリエイティブディレクター/イラストレーター/デザイナー

1979年神奈川県小田原市生まれ。多摩美術大学情報デザイン学科(一期生)にて、インスタレーションアートを学ぶ。在学中よりウェディングアルバム制作会社の仕事の受託をはじめる。もっと様々なデザインをお客様と直接やりとりをしながらつくりたいという思いから2009年に「デザインこねこ」を創業。小田原地下街「ハルネ小田原」開業プロモーション受注を期に2016年に法人化。その後も、小田原城のリニューアル「小田原城 平成の大改修」のPR全般などをはじめ、小田原市の自治会情報誌「小田原回覧板系フリーマガジン おとなりさん」の発行(自社事業、季刊7万部発行 *現在休刊中)など、小田原市を中心とした西湘エリアにて「地域密着のデザイン会社」として展開を続ける。画家である母の影響で幼少より絵に親しみ、現在は母の主宰するアトリエ・コネコで子どもたちへ向け絵画の講師も行っている。