日本版大退職時代

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今日は休日ショートバージョンです。

今回は、ちょっと経営者にはショッキングなタイトルですが「日本版大退職時代」についてです。

2021年の8月頃に欧米で離職する人が急増しており、「大退職時代」が到来したと話題になっていました。

これは、リモートワークの長期化に伴う労働者の志向の変化が関係していると言われています。

端を発したのは「オフィスに出勤する業務に戻りたくない」ということだったようですが、彼らのキーワードには「ウェルビーイング(well-being:身体的・精神的・社会的に良好な状態にあること)」があり、リモートワークは、彼らに仕事と人生のより良い関係を考える時間を与えたということです。

そして、日本でも先日、2021年7月末~22年3月末にホンダを去った早期退職者が2500人を超えたという衝撃的なニュースがありました。

ホンダは2021年4月から早期退職制度「ライフシフト・プログラム(LSP)」という、55歳から65歳未満の日本の正社員を対象にした、社員の世代交代を図る制度を導入しました。

ホンダが当初見込んでいたLSPの利用者数は1000人程度だったとのことですが、ふたを開けてみるとみるみるうちに希望者が殺到し「依願退職者3200人のうち2500人以上がLSP対象者」になってしまったそうです。実に、想定の2.5倍です。

2500人がどのくらいというと、ホンダの国内正社員の約6%に相当する規模だそうです。サッカーに例えると前半終了間際くらいから一人退場した状態で戦うくらいのイメージです。

気になるのは彼らの動機ですが、ホンダでは割増退職金に当たる「退職加算金」に加え、再就職のサポートも実施しており、この仕組みを利用して学校に通ってスキルを磨く人もいるそうです。欧米型のライフスタイルを重視したウェルビーイングな動機とは違い、職業選択であり、リスタートの気配があります。

東京商工リサーチのデータによると、こうした動きはホンダだけでなく、2021年1月から10月末までに早期・希望退職者を募った上場企業は72社で、人数は計1万4505人。これだけ大型の早期・希望退職は20年ぶりの水準にあるそう。

ホンダの他の早期・希望退職含めた募集人数もしくは応募人数は、希望退職を実施した日本たばこ産業(JT)がパートタイマーや子会社の従業員計2950人、KNT-CTホールディングス(近畿日本ツーリストとクラブツーリズムの合併会社)1376人、パナソニック1000人超、LIXILなどが続くそうです。

こうした動きを「日本でも大退職時代が」と欧米と重ね見る向きもありますが、日本の場合には背景として企業側の事情が大きいようです。

例えば、近年AI(人工知能)やビッグデータによる産業構造の変化が激しいことに対する必要人材の変化があります。ここに、新型コロナの感染拡大による業績悪化も相まって、人材の新陳代謝を促進することで企業の組織を改めて変革しようとする目論見があるようです。

また、同時にバブル期の大量入社による年齢の逆ピラミッドの社員構造という、日本型雇用の弊害とも言える問題がタイミング的にもう切羽詰まった状態になってしまっているということもあるそうです。

このように、課題の本質が企業側にあるのが、欧米の大退職時代と違う「日本版大退職時代」だと言えそうです。

参考:株式会社第一生命経済研究所経済分析レポート「『大退職時代』は日本に訪れるか?~欧米「the Great Resignation」との共通点と相違点~

参考:日経ビジネス「パナソニックやホンダも断行 早期退職について知りたい10のこと」

参考:DIAMOND ONLINE「ホンダ早期退職者2500人の衝撃、人材流出が多い『リストラ標的20拠点』が内部資料で判明」

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長嶺俊也 デザインこねこ株式会社取締役/クリエイティブディレクター/LOBBY ODAWARA オーナー兼ディレクター/神奈川県商工会連合会小規模支援強化事業コーディネーター