【これからの時代を担う こどもたちのための環境】

メールマガジン/バックナンバー

こんにちは!デザインこねこの長嶺きわです。

本日から、SDGs(持続可能な開発目標)をテーマに、さまざまな角度から情報をお届けする予定でしたが、もう少し内容を充実させてからスタートしたいと考え、本日10月23日(水)のスタート予定を、2週間後の11月5日(火)に変更させていただきます。

次回以降は、隔週火曜日の配信となります。また、通勤時間などにお読みいただけるよう、配信時間も7時半に変更いたします。
今回は、ピンチヒッターとして読み物コーナーを、夫の長嶺しゅんやが担当いたしますので、よろしくお願いいたします!


 


【一週間のAI / ITニュース】

10/16〜10/22までのAI / IT関連ニュースを一部、お知らせします。

10月17日

NTTは、AI同士の議論により多様な視点から解を創出することを目指した、「AIコンステレーション」を活用して、地域社会問題に対してAIと共同で議論を行う市民参加型のワークショップを開催しました。ワークショップではAIコンステレーションにより人間同士の議論が深められるかを検証しました。AIコンステレーションとは、多様なAIモデルやルールを環境として与えることでAI同士が相互に議論や訂正を行い、人が要因推測が困難な問題に対し多様な視点から解を創出するための大規模AI連携技術です。ここで得た知見を生かして、今後は地域におけるコミュニティ支援や企業内の意思決定支援などへの応用に向けて取り組みを進めるそうです。


これからの時代を担う こどもたちのための環境

こんにちは、デザインこねこの長嶺しゅんやです。
今日は、妻に代わりピンチヒッターで担当させていただきますので、よろしくお願いいたします。

メルマガの新しいテーマが「SDGs」になりますので、私の方でも、少しそれに関連したお話をしたいと思います。

話は昨年に遡ります。
今度小田原市初の子ども園ができるのですが、その建設予定地である下中幼稚園を取り壊して新子ども園が建設される間、約1年半にわたり下中幼稚園の子どもたちは下中小学校の多目的室に移ることになりました。その話を聞き、たまたまのタイミングで仕方がないことなのかもしれませんが、その子どもたちや保護者の方にとっては、人生の大切な時間である事にかわりはないので、何かできないかなと思いました。

そこで、間借りする間の空間を少しでも楽しい思い出に変えてたげたいと思い、去年から少しずつオバカンスの杉山さん(BLEND主宰)や幼稚園の先生、小田原市さんたちと相談をしながら空間をデザインしたり、地域の方から材料を頂いて集めたり、協力して準備を進めてきました。私の方ではコンセプトメイキングを担当し、皆さんとの話し合いの中から以下のようにテーマを設定しました。

【これからの時代を担う、こどもたちのための環境】

事業テーマは「これからの時代を担う、こどもたちのための環境」として、長年幼稚園で使われてきた物地域の自然やアートとアレンジし、その発想や発明に触れることで環境意識や、地域社会への帰属意識を育み、情緒豊かに育つ楽しい居場所にすることをテーマに考えました。

そのテーマから以下の3つのコンセプトを抽出して、それぞれのセクションと共有しながら進めることにしました。

1.「アップサイクル」
2.「地域のモノ・コト・ヒト」
3.「懐かしさを育む」

「アップサイクル」には、今あるものを大切に工夫し、使うたのしさを一緒に育むことで、これからの時代を生きていく子どもたちが、この場所で環境意識を育むことができ、持続可能な社会を担えるようにという気持ちを込めています。

「地域のモノ・コト・ヒト」は、地域のモノやヒトと一緒につくるコトで、地域で子どもたちを一緒に育てる場にしたいと考えました。大人になっても人と人のつながりの中で生きていけるようにという、願いを込めました。

そして、「懐かしさを育む」は、畳や、障子、襖など、日本人ならではの「ほっとする」に囲まれた環境をめざしました。「懐かしさ」は人生の宝物だと思います。

そして、夏休みの何日間かをかけ、杉山さんの呼びかけに応えて集まってくれた方や地域の方、そして息子も加わりみんなで協力してカタチになりました。

夏休みの校庭や、誰もいない教室、軽トラに材料を積んだり、お昼にみんなでラーメンを食べに行ったり、息子にフラフープさせられたり、大人大勢でゴリゴリの引っ越しをしたり、なんだか合宿みたいな感じでとても楽しくできました。

地域の方に協力していただき、天井から地域のハーブをつかったドライハーブや、藁をつかったヒンメリを下げた、自然に触れることができる「ボタニカルルーム」や、天井に障子を使って蛍光灯の光を和らげた畳と襖と切りダンスに囲まれた小部屋にもアーティストの方が絵や仕掛けをいっぱい作ってくれました。

先日、使い始めて一ヶ月経ったので、不具合や改善点などないかのチェックに伺いました。子どもたちは居場所兼おもちゃとしてしっかり使ってくれていました。時間によっては、小学生も遊びに来ていいということになったそうで、休み時間に小学生のお姉ちゃんが友達をつれて弟に会いに来ていたりもあって、思った以上に特別感あることも起きていて、今後「小学校の中に子ども園を作ってしまう」というのもありなんじゃないかなんて、おもってしまいました。

【今後、校舎の修繕もしたい】

グラウンドや遊具のある遊び場、体育館やプール、手洗い場や調理場や、トイレや保健室、図書室や木工室、うさぎの飼育小屋や花壇、掃除用具入れや資料室など…。学校は、普遍的な人間力の育成と、近代の教育融合した学びの場所です。校舎は、子ども達にとって、活動の場であり、遊び場であり、教材なのです。また、先生にとっての職場としては、休憩室や、更衣室がないなど、現代に即していない労働環境であることもあげられます。先生たちに気持ちよく仕事をしてもらうことも、子どもにとってプラスになるはずです。

そんなとても重要な学校が、老朽化の問題に直面しています。
小田原市の資料によると、小田原市立の学校数は、平成26年1月現在、幼稚園6園、小学校25校、 中学校11校、合計42校あります。建物を詳細にしますと、校舎・渡り廊下及び屋内運動場の棟数は、幼稚園6棟、小学校 93棟、中学校59棟となっており、合計158棟です。

その中で、建築後、約40年以上経過した建物は118棟(74.7%)、50年以上経過したものは53棟 (33.5%)だそうです。注意したいのは、このデータは平成26年=2014年ですので、すでにここから10年経過しています。

つまり、2024年現在

・築約50年以上経過した建物が74.7%
・築約60年以上経過した建物が33.3%

ということになります。さらにこれから10年経つと…。

小田原市でも2004年から10年間で15校実施することとしていました。しかし、予算の関係などもあり未達に終わったようです。平成21年度に、校舎及び屋内運動場の耐震補強工事に取り組み、耐震補強工事は完了したそうですが、一方でそれ以外の整備は計画どおりに進められず、リニューアル事業(トイレや図書館など)も10年間で3校3棟の実施にとどまっているそうです(この情報は少し古いためもしかしたら多少増えているかもしれません)。

また、2004年3月に「小田原市立小中学校校舎リニューアル整備計画」策定後約20年経つ現時点でも、児童生徒の教育環境に支障をきたしているものが先送りになっているそうです。
このあたりの情報はすべて小田原市のホームページで一時期調べていて知ったことですので、興味のある方は市のホームページをご覧になってみてください。興味のある方は、PDFの資料を集めておりますので、ご連絡いただければメールいたします。

【国の取り組み】

実は、校舎の老朽化は小田原市のみとどまらず、全国の課題になっています。
文部科学省で、「昨今、外壁のモルタル片等が落下する事故が断続的に生じていることなどを踏まえ」という前文つきで、「学校施設の維持管理の徹底に向けて-子供たちを守るために-(R2.5)」というガイドラインが示されていますので、よろしければこちらもご覧になってみてください。
 → https://www.mext.go.jp/a_menu/shisetu/maintenance/mext_00002.html

【これからの地域の学校の創立者に】

高度成長を経た今、日本は改めて文化的伝統を育むフェーズに入ったとは思えないでしょうか。
古い建物でも手を入れながら明るくきれいに活用することで、校舎に宿ってきた伝統と知性のようなものを表現できると思います。

老朽化してしまった今だからこそ、古くなった建物は壊して廃棄し、安いものを新しく建てるというスクラップ&ビルド型から、施設を再生活用するためのマネジメントに切り替えていくことが大事だと思います。

これからも、次の時代を担う子どもたちのために、これからの地域の学校の創立者のような気持ちになって色々していけたら、なんて思っています。

参考:小田原市R5当初予算、小田原市R5年度補正予算案、小田原市小学校施設整備基本方針(H26)、公共建築物マネジメント基本計画における取組の評価分析について(小田原市R5)、小田原市公共施設再編基本計画(H31)、小田原市学校施設中長期整備計画(R2)、市有建築物維持修繕計画(小田原市R2)、効率的かつ効果的な学校施設の整備に関する事例集(文科省H31)、学校施設の維持管理の徹底に向けて-子供たちを守るために-(文科省R2.5) 


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長嶺 喜和|Nagamine Kiwa  facebook

デザインこねこ株式会社 代表取締役社長/クリエイティブディレクター/イラストレーター/デザイナー

1979年神奈川県小田原市生まれ。多摩美術大学情報デザイン学科(一期生)にて、インスタレーションアートを学ぶ。在学中よりウェディングアルバム制作会社の仕事の受託をはじめる。もっと様々なデザインをお客様と直接やりとりをしながらつくりたいという思いから2009年に「デザインこねこ」を創業。小田原地下街「ハルネ小田原」開業プロモーション受注を期に2016年に法人化。その後も、小田原城のリニューアル「小田原城 平成の大改修」のPR全般などをはじめ、小田原市の自治会情報誌「小田原回覧板系フリーマガジン おとなりさん」の発行(自社事業、季刊7万部発行 *現在休刊中)など、小田原市を中心とした西湘エリアにて「地域密着のデザイン会社」として展開を続ける。画家である母の影響で幼少より絵に親しみ、現在は母の主宰するアトリエ・コネコで子どもたちへ向け絵画の講師も行っている。